クル先のマブは美術教諭【twst】

　入学式 ページ33

〈鏡の間〉



ランドルフがクルーウェルに出会ったのは念願が叶い入学が決まったNRCの、入学式の日だった。出会ったというよりは一方的に知ったといった方が正確だろう。


クルーウェルはその年の新入生の中で飛び抜けて、
一番、美しかったからだ。
艶のある黒髪、綺麗な肌、黒のアイシャドウが似合うキリッとした目。
誰もがそんな美しい彼と仲良くなろうと口々に話しかけていた。

ランドルフはというと、長い前髪が顔にかかっていて、度の強い眼鏡をかけ、ピアスで耳は穴だらけ、というようなどう考えても話しかけにくい雰囲気が出ていたから誰にも話しかけられなかった。本人はそんなつもり無かったけれど。

ランドルフとクルーウェルは同じクラスだったのに1年生が終わる頃まで一度も話すことはなかった。

クルーウェルなんて、色々な人に話しかけられ過ぎて急に髪を白く染めて、一匹狼的な存在になっていたのに。
それでも彼が周りから声をかけられる事は無くならなかったし、先輩から呼び出しをくらって喧嘩を買って、ボコボコに返り討ちにしてはトレインに怒られていた。

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