守りたい人がいる。 (ページ24)

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22話ページ24

Aside

どんどんボロボロになっていく、ルミリオンを見るのは

心が痛んだ。それでも、彼の瞳は輝きを失わなかった。

壊理ちゃんを守り抜くという強い意思が瞳に宿っていた。

守ろうとした壊理ちゃんの力で無敵とも思える個性を

失ってしまった筈なのに。それなのに彼は、ルミリオンは

戦い抜いたのだ。たった一人の少女を守る為に。

壊理ちゃんのことを羨ましいと思ってしまった。

彼女のことを痛めつけ、傷つけたのは私たちなのに。

もしも、私が彼女だったらルミリオン達ヒーローは、

私を、私達を助けてくれたのだろうか。そんな思考は

無駄だとわかっている。もしもの話をしても意味はない

とわかっているのに考えずにはいられない。

そうか、私は、私達は、誰かに助けてほしかったんだ。

ルミリオンを見た時もしかしたら私達を救ってくれる

かも知れないと思った。そんな微かな期待はすでに

打ち砕かれていた。それでも、彼女を守る為に戦い続けた

ヒーロー、ルミリオンに死なないでほしいと思った。

その時、壁が打ち破られ、デクをはじめとした

プロヒーロー達が飛び込んできた。

デクの強烈な一撃がオーバーホールさんにぶつかった。

イレイザーヘッドが個性を消し、ナイトアイがルミリオン

と壊理ちゃんを保護に向かった。ヒーロー側が優勢かと

思われた瞬間、クロノさんの意識が戻り、イレイザーを

個性で刺した。ルミリオンに完全にやられていた筈の

クロノさんだが、ルミリオンがクロノさんを投げたとき、

オーバーホールさんが咄嗟に個性で修復し、ダメージを

治したのだろう。イレイザーヘッドがクロノさんと一緒に

オーバーホールさんの個性で移動する。デク、確か雄英の

緑谷出久くんだったかな、オーバーホールさんが交戦

していたが、そこは流石にオーバーホールさん、

圧倒的な実力と強さで彼が有利に戦いを進めていった。

確かにパワーとスピードは凄いけど、それだけだ。

ルミリオンのように、オーバーホールさんを圧倒する

ような力はない。ルミリオンの方がよっぽど厄介だった。

彼はきっとオーバーホールさんに勝てないと思う。

「こんな奴らに、俺の計画を、台無しにされてたまるか

なぁ、音本、嫌だよなぁ！俺がこんなところで終わるのは

お前なら俺の為に死ねるよなぁ！」

オーバーホールさんは音本さんと自分を破壊して融合

させた。

「さぁ、壊理を返してもらおうか。」