【学園アリス】MEVIUS Ⅷ (ページ6)

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震える手で先生にしがみ付き、震える声で先生を問い詰める

彼の声に先生は眉を動かし、思い立ったかのように彼の腕を引いて
この場から立ち去ろうとする

泉水『帰るぞレイ。こんな所にいちゃダメだ』
零『…やっ!』
泉水『お前は騙されているんだ。こんな奴の言うこと…!』

嫌がる彼に先生は言い聞かせるがそう上手くいくわけがない
初校長に洗脳された彼は今の先生の話に聞く耳も持たない

初校長『無礼な上に人聞きの悪い…
私を騙して人前に出れるようになった彼を隠し続けたのは
君の方だろう。そういって耳をかさず、君はまだ彼を
あの場所に閉じ込め続けるつもりか?永遠に…』

やっと口を開いた初校長は彼の目の前で先生を悪者に仕立て上げていく
最後の仕上げと言わんばかりに

泉水『それはてめーが!』

反論しようと足を止めた瞬間
彼がついに先生の手から離れようともがき始める

零『や、やだぁ!』
先生から離れようとアリスを放ち続ける

何も加減をしていないアリスは幾ら先生が無効化といえども
打ち消せる量の「腐食」ではない

泉水『レイ!』
零『や、やだ!つれてかないで!
ぼく、もう…あそこで1人になりたくない!』
泉水『やめろレイ!そのアリスを使うんじゃない!』

彼の目には先生は悪だと写っている
そんな先生の話を聞くわけもなく彼はアリスを使い続ける

泉水『お前のアリスは人の命を!!』
初校長『…流石行平先生』

彼を止めようと必死になっている先生に向かって
初校長は焦る様子一つ見せずに先生の背中に向かって言葉を吐く

初校長『無効化のアリスのお陰で身の危険もなくそうやって
彼を抑え続ける事ができるのは貴方だけ
その貴方にこうも反対されてしまっては私は手も足もでない
どんなに彼を引き止めたくても私の力では無理だ。…残念だが』

泉水『…あんたさっきから何言って…』

独り言のように呟き続ける初校長に先生は何か違和感を覚える

零『先生、なんで…?先生だけは僕のこと…
先生だけは他の人とは違うって…信じてたのに…
僕を騙したの…?どうして…そんなことするの?』

何かを吹き込まれた彼は先生のシャツを掴んで問い詰める
アリスは使い続けたまま…
その腐食のアリスは先生に向けられている

蜜柑「あ…や…!!」
翼「蜜柑!」

また窓から乗り出そうとする蜜柑を必死に翼が後ろから引き止める

柊人「だめだ蜜柑!さっきの時空の荒れも治まってないのに!」
冷静さを柊人も欠いている
いつもならこんな風に怒ったりは絶対にしない筈だ