【学園アリス】MEVIUS Ⅷ (ページ46)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:14,524 hit

｜ページ46

野田「殿内君の増幅のアリスと相性が良かったお陰で本調子ではないにしろ消耗した力もだいぶ回復してきたように思えます」
殿内先輩の後を続けるようにのだっちは言う

ブレスレットの下の痣も多少はマシになっており、アリスが使えるようになったというのは本当らしい

「…それと蜜柑の中に入ったテレポートの石ね」

蜜柑が前から持っていた櫻野先輩の石
私も小さいながらもその石を入れて貰ったので多少は使えるが

殿内「Aが自分で持っていた石は大体は俺ら知り合いの能力だから把握は出来る…」
翼「あとは…のだっちがアリス回復したってことはもう一度タイムトリップで時空に逃げ込めば、そうすれば柚香さんとおちあう時間まで安全に…」

「それは悪い考えじゃないけど、安全策でもないわね」
翼「…え」

翼の策に私は待ったをかける

野田「ええ。やってやれない事はないと思いますが、前回と違って今はこのブレスレットに強力な妨害波が送られています。かなり危険を伴う上、柚香さんとの月光の時刻にちゃんと戻ってこられるかどうかは難しいと思われます」

私は頷くと更に続ける

「蜜柑を柚香さんと一緒に外の世界へ出す事が最終目的な以上、過去に逃げる事はあまりいい策ではない。やっぱり一旦高等部の外へ出て逃げるしか…」

頭を捻って考えていると、速水先輩に私と殿内先輩が呼ばれる

速水「…2人ともちょっと」

まさか私も呼ばれるとは思っていなかったので少し戸惑ったが速水先輩につられるまま、のだっちや蜜柑達と少し距離をとる

殿内「何だよ。俺だけじゃなくAまで」
速水「…今、遠耳のアリスで信じられへん情報が入ってきたんやけど…。驚かんで聞いてや」

顔をこわばらせ困惑している速水先輩に私も殿内先輩も思わず身構えた
その後に紡がれた速水先輩の言葉は耳を疑うものだった

速水「声は花姫殿からきこえてきた。この中に裏切り者がいる。…裏切り者は特力の野田先生…」

「そんなの嘘よ」
殿内「A…」

あるはずがない
のだっちはだいぶ前から高校長達と協力してきた
勿論私とも

何かの冗談としか思えない

速水「わからん…。ただ声があの結界で閉ざされた場所から聞こえてきたゆうことは中校長が何かしらの理由でこっちに結界緩めたゆうことや。それがどういう意味までかは…どうする殿やん?月城さん」

「…姫様が結界を緩めた事には確かに意味がある」