【学園アリス】MEVIUS Ⅷ (ページ39)

今日:13 hit、昨日:0 hit、合計:14,532 hit

｜ページ39

あれは…

「速水先輩」

私が声をあげると、全員一斉に扉に注目する

速水「自分らここで何してん!?」
殿内「お前!」

速水先輩が何でどうしてと問い詰めながら部屋に足を踏み入れて私たちに近寄ってくる

速水「何で戻ってきたんやあんたら。新聞屋なんでここんとこの情勢不安もあって、初校長の動きを張ってたんですわ。そんな事はどーでもええねん。あんたらはよここから逃げや」

息継ぎもせずに早口でここまでしゃべり切る

「何か知っているんですか」
速水「俺もようはわからん。初校長側が動くゆう情報あって遠耳のアリスこの部屋に効かせとったんやけど。校長室は結界張りまくりやし、難儀したわ」

私の問いに次々と答えていく先輩
流石の情報網
校長室にアリスを使う神経は誉めたものではないけれど今はいい

速水「漏れ聞こえた感じやと何か初校長側えらい探しとる人間おったで。佐倉さん、あんたとZ事件でのあの『安積柚香』ゆう人や」

流石に学園にいるのがバレたか
動き出したということは高等部に匿っていることがバレたことになる

柊人「ここに柚香さんはあの時いたんだ。ここが襲撃されたってことは連れて行かれたってこと!?」
柚香さんがあの場にいた事を知るのは私と柊人のみ
翼は後から合流したし、あの時の事情を知る訳もない

柊人の声にのだっちも続ける
野田「高校長達の行方はご存知ありませんか?」
速水「それも…よくわからんままここに駆けつけたらこの有様ですわ。何や『誰が逃げた』やら『捕まえた』やらよく聞き取れんで…」

遠耳のアリスといえど限界はある
全てを知っているわけではない速水先輩の説明にのだっちは肩を落とす

速水「ただ僕の探りでわかったことはあなた方が学園にいる気配がないゆーことで、野田先生の力で皆が時空間にいる可能性を既に読んどるみたいやゆうこと。そしてその対策に入っているやろうゆうこと」

…対策
のだっちのブレスレットに妨害波を送り込まれていた可能性がある
あんなにも過去が荒れるのはおかしい

それにもしかしたら私の罰則面にも何かされていた可能性がある
まあ無理やり外してしまったから意味はないけれど

速水「捕まった面子はまだ定かではないけど、目撃情報によればそのうちの1人に今井代表がいたゆうことで、噂は広まって学園内は今ちょっとした騒ぎですわ…」
「嘘…」

今井先輩が捕まった
敵に
何で

私の疑問は頭の中ですごい勢いで駆け巡るが速水先輩は続けていく