【学園アリス】MEVIUS Ⅷ (ページ26)

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かつての恩師が急に殺された話は馨さんにも衝撃を与えたのだろう
…仕事柄学園を出てからも関わっていたとなると尚更

馨『遺志を継いで頑張っているけれど、日に日に思い通りにならないこの身体と…厳しさを増す初校長の圧力に苦戦中ってとこ』
柚香『初校長のクローンの場所を先輩は知っているのね…』
馨『柚香…あんたまさか…。何考えて…』

柚香さんの言葉にハッとする
何を考えているのか手にとるように分かるらしい
…長い間関わっていればどういう風に柚香さんが動くかわかるのだろう

柚香『私は…先生の遺志を継ぎたい。盗み(この)アリスを初めて自分の意志で胸を張って使える…。それが今だって思えるから…。お願い、馨先輩協力して…』

柚香さんの無理なお願いに馨さんは戸惑っている
本当に協力していいものかどうか
そんな馨さんを説得するように柚香さんは話していく

柚香『私は初校長のクローンに備わっている彼のアリスを一つ一つ盗って消滅させたい。どんなに道は長くても、初校長(あの人)の野望をそうやって一つ一つ潰していくために…』

馨『柚香…!』
柚香『先輩の力が必要なの…お願い…』

手を取って強く握りしめた
柚香さんのお願いを馨さんはわかった…と一つ呟いて承諾した

ノイズがかかって場面は変わる
何度も瞬きをする事に切り替わっていくその様子はどれも初校長の追手から柚香さん達が逃げ惑っているものばかりだった

蛍「野田先生…画面がいきなりみんなが逃げ続ける姿ばかり…」

のだっちは一つ返事をするとさらに続けた

野田「この時期の彼らは馨さんが当時調べていたものが危険ゾーンだったのに加え、初校長の柚香さんへの追手も厳しさを増してたこともあって…。一所には留まれない心身共にハードな日々は、徐々に柚香さんを罪悪感という形で追い詰めていく事になって…」

危険ゾーン?
私にとって2人が行っている活動は全て危険に思える
私が疑問を思った所で皆疑問を持ったようだったが、過去の映像が変わって切り出す余裕は無かった

馨『そんな顔せんと、柚香。あんたの所為とちゃうんやから。たまたまあたし自身の仕事疲れと重なっただけで、追手かて半分はあたし狙いなんやし』

大きなお腹を気にしながら馨さんは、悲しそうな顔をしている柚香さんを何とかしようと声をかけている
柚香さんは全部自分の所為だとそう考えているのか

馨『倒れたゆうてもちょっと寝不足やっただけで、医者もお腹の子は大丈夫ゆうてたし』