【学園アリス】MEVIUS Ⅷ (ページ3)

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柚香『…先生?どうしたの?何かあったの…?』
不安げに先生を見上げる

そっと柚香さんに近づき、顔に手をそえて自分の顔に引き寄せそっとキスをする
顔を離すと後ろから抱きつき、柚香さんの首元に顔を埋める

柚香『…先生?』
泉水『ちょっと用ができた。いってくるわ』

柚香さんに優しく微笑みかける
心配そうに見つめる柚香さんに先生は少しだけ笑った

泉水『すぐ戻る。…心配すんな』

そっと柚香さんから離れ、服を着て扉から出て行ってしまう
先生の背中を部屋の窓から身を乗り出すようにして送り出す

見えなくなった先生の背中にそっと柚香さんが呟いた

柚香『うん…待ってる』

この柚香さんの願いは先生に届いたのだろうか…
1人歩く先生を過去の映像は映している

蜜柑「のだっち、先輩…。このままお父さん行ったら
さっき2人が言ってた見るのが辛い時がくるの?」
「蜜柑…」

蜜柑の声は震えている

蜜柑「もしも…ウチが今…」
「そんな事をしても過去は簡単に変えられない」
蜜柑「…でも!」

何を考えているのか
…そんな事はすぐに想像がつく

今ここで先生を止めれば先生は死なずに済むかもしれない
それは過去を変える事に繋がり、今の正常な未来はない
そんな危険な事をすれば、時空からのペナルティも受けかねない

私は蜜柑の言葉を遮った
それでも蜜柑の諦めはつかない

野田「佐倉さん…そんな事を考えても無駄です
Aさんの言うように過去はそう簡単に変えられません
彼の運命はもう決まっています」

蜜柑「でも…!」

どんどん後ろに下がっていくように後ずさっていく
そのまま下がっていけば窓から過去に落ちかねない

翼「蜜柑よせ!それ以上穴の方に体を乗り出すな!危ない!」

翼が蜜柑に止まるように声をかける

殿内「野田先生やっぱりこんなのダメだ。もう終わりにした方が…
いくら蜜柑が見たいと言ったとしても酷です…!」
「…この先は蜜柑に苦痛を与えるだけ。私も帰る事に賛成」

蜜柑「…先輩!」

殿内先輩と私の忠告を蜜柑がなんでと戸惑っている

殿内「こんなの…この先は見せるべきじゃない!
ただ蜜柑が動揺するばかりだ。もう十分です…
窓を閉じて過去の旅はここまでにしてください!」

のだっちは私たちの声に頷いて窓を閉めようと蜜柑の後ろにある窓に近寄っていく

野田「すみません…佐倉さん…」
蜜柑「だめ…!」

近づくのだっちを防ぐように窓の前に立つ

「だめ、蜜柑!それ以上…!」