【学園アリス】MEVIUS Ⅷ (ページ15)

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柚香『あなたにはもう二度とそのアリスを使わせない!
あなたの目論みは私が壊してく!一つ一つ…どんなことをしても!』

勢いで声を荒げて喋っていたからか、外から走っている足音が聞こえる
ドアがバン!という音を立てて開かれると、本部の役人と小泉さんが立っていた

部屋の中で蹲っている初校長と、それの前に立っている柚香さんを見つけて全員顔を強張らせる

月『な…校長!?…柚香ちゃん』

声のする方をすーっと柚香さんが向くと、柚香さんは悲しそうな声で１つ呟いた
柚香『ごめんね…月…』

そして意を決して部屋の奥に歩きながら瞬間移動を利用してこの部屋から消えた

初校長『ゆ…柚香ぁぁ!』

本部の役人に寄り添われながら初校長は悲痛な叫びを消えてしまった背中に投げる

瞬間移動で本部の部屋を出てきた柚香さんの体を結界破りの裂傷がおそう
結界の跳ね返しで体力も削がれ、外の道ではなく草木の中に飛び込んだ

開けた場所ではないので千里眼でも使われない限り追ってには見つからない
飛び込んだ瞬間に躓きその場に派手に転ぶ
…柚香さんはそのまま意識を手放した

舗装された道では杏樹が本部に行ったきり帰ってこない柚香さんを必死に探し回っている様子が映っている
岬先生も映っていてその顔は杏樹を見つけてしまって青ざめている
見ないふりをしようと草木に入り込み、足を早める

岬『わ…』

何かに足を取られその場に盛大に転ぶ岬先生
何を踏んだのか確認しようと、振り返るとそこに蹲っている柚香さんを見つける

岬先生が転んだ音に、もしかしてと思って走り寄ってきた杏樹も柚香さんに気づく

鳴海『柚香先輩…!』

柚香さんに駆け寄って意識がない事を確認して、自力で動いてもらうのは不可と判断した杏樹は柚香さんをお姫様抱っこのように抱き抱える

そしてそのまま歩いて行こうとする杏樹を岬先生が止める

岬『おい、何して…』
鳴海『何って、寮に戻る!!』

困惑している岬先生を振り払い、急ぐ杏樹
その後ろ姿を仕方なく追っていく岬先生

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本部に併設されている病院の一室
ICUと書かれた場所に初校長は運び込まれた

ガラス越しにスーツ姿の本部役員が何人も初校長の容体を心配して立ち尽くしている
初校長が横たわるベッドの側には小泉さんと彼が心配そうに涙を流しながら立っている

初校長『る…るな…』
掠れるような今にも消えてしまいそうな声をやっとの思いで出しながら、初校長は小泉さんの腕を力なく掴んだ