【学園アリス】MEVIUS Ⅷ (ページ11)

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泉水『なーなー、一兄は初校長のアリス知ってんの?』
高校長『…憶測の域でなら』
泉水『ちょー話せよー』

これはいつしかの高校長室での先生と高校長のやりとり
椅子に座っている高校長に先生は問い詰めている

高校長は手を組んで、覚悟を決めたかのように語り出す

高校長『彼はいつの頃からか、私や中等部校長などはるか凌ぐ昔からこの世に生を受けた人で、その寿命・容姿は彼の特殊なアリスによるもの。
そしてそのアリスで長年私たちには容易に手出し出来ない強固な地固めをして彼は今の特殊な地位にいる。

彼のアリスは「クローン」のアリス
重ねてきた年齢を二分割する形で生み出し、彼を含めテレパスで結ばれたその多くの分身が今もなお世間に私利私欲の根を張るためにそのアリスを使っている』

高校長の話をそんな事ある筈がない、といった顔で聞き入っている先生

高校長『長い間かけてこの国の根幹に根を張り続け、その強大な力をバックに学園を私物化し、そして今も国の仕事と称して自らの立場固めのために選別した生徒を裏仕事に利用している』

これが私たち危力系の正体
初校長の為に私たち手駒が動かされていたというわけだ

重い事実を受け止めた先生は口を開く

泉水『…わかった。俺やるよ。…この学園を変えるために』
高校長『ありがとう泉水…』

高校長は先生にお礼を言って微笑むと再び場面は変わる
ボタンを押していくかのように次々と目まぐるしく変わる場面に頭がついていかない

高校長室に呼び出され、神野先生に付き添われながら部屋に入る柚香さん
高校長の目の前までたどり着くと、柚香さんを気遣いながら高校長は事実を告げていく

…途端に柚香さんは崩れ落ちる
先生が死んだという事実は受け止めきれない重さとなって柚香さんをおそう

地面に顔を埋め、泣き崩れる
その様子を神野先生も高校長もどうにかしようとあたふたしている様子が見える

そしてまたザッピングのように場面は変わる

初等部生から高等部生、そして教師達が一同に集まっている中等部のグラウンド
高校長が壇上の真ん中に立ち、先生が亡くなったのだと告げる

グラウンドには悲鳴が響き渡り、泣き叫ぶ人も多い
…柚香さんの姿は見えないが、杏樹や岬先生、志貴さんや小泉さんが見える
その衝撃に全員驚いている

壇上では姫様が目を細めて隣に座っている初校長を睨んでいる
姫様にとっても何の関わりがなかったわけではない先生の死に何か思い当たる節があるようだった