【学園アリス】MEVIUS Ⅵ (ページ10)

今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:18,429 hit

｜ページ10

私たちはこの場を打開する

そう決めている

初校長「無駄な抵抗をしたところで今後の扱いを下げるだけ…」
棗「うるせえ」

さらに続ける初校長に棗が被せる

棗「好きな女が同じ闇に落ちてくのを目の前にして
ぐだぐだ未来(先)のこと説教かまされたところで
何も頭に入ってきやしねーんだよ、お前らが押し付ける未来なんてくそくらえだ」

呆然と床に膝をついている蜜柑が目に入る
全くこんな所で勇気のある奴だ

棗「この先何があっても、どうなってもこいつは俺が守る。…絶対!」
そう言い切る棗に私は舌を巻いた

背中に触れていた柊人の手にも力が入る

今の言葉で焚き付けられた小泉さんが棗に向かって走っていく
しかしその瞬間に棗は炎を自分の周りに巡らせ、自分と蜜柑を炎の壁で取り囲む

「炎で押してこの場から逃走する気だ!」
扉の前にいた風紀隊が叫び、扉の前に立ち塞がる

初校長「のばら、棗の炎を止めるんだ」
遂にやってきた、この瞬間が

炎と相対する氷で交戦させようとしている

私も柊人も、棗も蜜柑も杏樹も
全員がのばらを見つめる

のばらがどう動くかでこの場がどう収まるかが決まってしまう
重要な担い手となってしまっている

初校長「勿論この状況、パワー面で劣るお前に分が悪い
が、お前の身をもってでも止めろ」

…のばらを殺す気か
胸糞の悪い

初校長「仲の良いお前が目の前で棗の炎にまかれる様を
よもや、お前の友達は見捨てるなんて事はしないだろう
さあ、のばら。お前がこの2人を止めるんだ」

成程
棗の炎を止める為に自身の氷のアリスを発動するも
パワー面で劣るのだから棗の炎に負けるのは目に見えている

そうなった時に蜜柑は棗の炎からのばらを救い出すだろう、と
そういうことか

友情をも利用しようとしている

私や柊人に手を出させないように手を打ったのも
元々この展開を読んでいたからなのか

どうせ棗が来ると読んでいたのなら、のばらに協力を仰いで蜜柑を手に入れるつもりだったのだ
最初からコレが目的で…

「のばら…」

急かす初校長の声に私は重ねるように呟いた
この呟きがのばらに届いているかは知らないが、のばらの表情は俯きどんどん暗いものになっていく

冷気が身体を、この部屋を包み始めたその刹那
初校長や小泉さん、ペルソナや風紀隊の足を凍らせていく

…のばらがペルソナを裏切った
蜜柑を助ける為に