【学園アリス】MEVIUS Ⅵ (ページ8)

今日:8 hit、昨日:1 hit、合計:18,434 hit

｜ページ8

扉の側に佇む杏樹に気づいた蜜柑が声をあげる
何とか小泉さんから距離をとり、間をとっている

近づかれない様に気をつけながら、蜜柑は強く手を握っていた
…その拳の中には小泉さんのアリスストーンが入っている

初校長「ご覧の通りさ。全く素晴らしいよ君の連れてきたこの子は
彼女があまりに暴れるものだから月が吸魂(アリス)で大人しくさせようとした所
あっという間にアリスを盗ってみせたよ」

目を見開いて不気味に笑う初校長はまさに悪の象徴
悪寒が私を襲い、頭痛が更に酷くなる

私と柊人、杏樹が何事か…という風に初校長を見つめる
彼はまだ笑ったまま

月「返しなさいよ私のアリス…!
よくも校長(あの方)の前で…」

小泉さんが蜜柑を怖い形相で睨みつける
初校長のすぐ下で動いてきた小泉さんは初校長に気に入られようと必死

…ああはなりたくない
顔色を伺ってご機嫌取りをして生きていく事は絶対に避けたい

ペルソナ「のばら、校長の気が済んだ頃合いをみて
佐倉蜜柑を氷で捕獲しろ。…いいな」

中心人物達には聞こえないようにペルソナがのばらに指示を出している
かろうじて聞き取れたソレは、事前にのばらに協力を請うていたように聞こえる

のばらは初校長のお気に入りではなくペルソナのお気に入り
蜜柑はのばらが気にかけていたし、どっちに回るのだろう

…ペルソナの手を離す様な真似はしないような気がする
きっと蜜柑の敵になる

もうそろそろ体が慣れてきた
毒にも、罰則面にも

頭痛は酷いし、体も呪いの所為で痺れているけれど
それでも以前よりは動けるようになった筈だ

「…柊人、いざとなったら蜜柑とナルを連れて逃げるよ」
柊人「わかった。…体は?」
「何とか平気」

小さな声でやりとりをする
誰にも聞かれてはならない
私と柊人の内緒話

月「どんなにあがいたって、あんたはもう終わり。助けはこないわよ
あの男にしたってこの状況で動けばどうなるかくらいわかっている筈
月城さんもね」

蜜柑に向かって吐く言葉には棘が何重にも刺さっている
入り口で風紀隊に腕を掴まれ、動けなくなっている杏樹

はやく助けに行きたいが今のこの状況では無理
何か事態が好転しない限りはここで自分を労っているフリをしなければ

呪いや吸魂のアリス、もしくは腐食に殺されてしまうことになりかねない
杏樹の目の前でそれだけは避けたい

月「母娘(おやこ)揃って忌々しい…!」
怨念が篭っている
…小泉さんのソレは私念だが…