【学園アリス】MEVIUS Ⅵ (ページ47)

今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:18,430 hit

Contents(67)-ζ ページ47

初校長『私は優秀な生徒の発掘に誰より熱心でね。加えて姫宮は厄介な事には
手を出されない主義のお方だ。事故とはいえ君は一時的に他人のアリスを盗むという大騒動を起こした
そんな君の保護観察人に私以上の適任はいない』

確かに姫様は厄介事がお嫌い
初校長の手にかかれば、お気に入りの生徒がどこに所属していようが正直関係ない
自分の手元に置いておけばそれでいいのだ

入り口から歩いてきた初校長が柚香さんの顎を掴み、上に持ち上げる

初校長『フフ…盗みのアリスなんて長年生きてきたが、そんな代物にお目にかかれるとは
その価値もわからぬ輩の中に今更戻ったところで、君の居場所はもうどこにもない
君のアリスはまさに宝だ。宝はその価値を十分に理解している者のそばにあるのが1番だ

一生私のそばに』

私はその言葉に思わず身震いする
柚香さんも言葉の衝撃さ、重さに目を見開いている

あの人からは逃げられない

野田「あ…また時間の波が動きましたね。1年程」

のだっちがそういうと時空が揺れ、違う映像が流れる
一瞬のだっちが棗を見ている

やはり馨さんは棗の…

泉水『中等部潜入成功!…たく、なーんで何度正門から入ろうとしても入れてもらえねーんだろ』
頭をかきながら生垣から顔をのぞかし、立ち上がる先生

多分姫様が悪戯して中等部に先生を入れなかったんだろうけど

歩きながら丸まった背中を伸びをして伸ばしているとある1人の生徒を見つめて噂話をしながら逃げていく中等部の生徒に行きあたっている

『やだあの子…。死人相手に…』
『えー愛人って噂まじ!?』
『いこ!アリス盗まれちゃうよ!』

悲鳴をあげながらバタバタとその場を後にする

何人もの生徒がいなくなった時に噂の的にされていた人物を先生はようやく目に入れることができた

そこを歩いていたのは無表情で、闇を映している目をした柚香さんだった

泉水『安積…安積柚香?』

ふと柚香さんに話しかける先生
その声にハッとした柚香さんは一瞬顔を上げて先生の顔をみて走り出す

泉水『あ、おい!』
去っていく柚香さんを追いかけようとするも、新しく歩いてきた中等部生に阻まれる

『あ、やっぱゆっきーだ!なんで中等部(ここ)にいるの!?』
泉水『お前ら…元教え子…』

久しぶり、元気―!?と飛びつく中等部生の中に1人の少女を見つける先生
首元には吸血された痣がついている

先生はそれに気づいただろう

教え子を振り払い、話がしたいからと小泉さんだけを取り残す