【学園アリス】MEVIUS Ⅵ (ページ42)

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その存在は過去で先生の活躍があってのことだったのだろう

月『まって安積さん!待って…!』

走って柚香さんを追いかけ回している小泉さん
柚香さんは気づいていなくて、普通に歩いていたのですぐに追いつく

小泉さんが柚香さんの腕を掴んで、そこで漸く柚香さんは小泉さんの存在に気づく

小泉さんの噂を聞いていた柚香さんは力を込めて、逃げようとする
しかしそれに気づいた小泉さんが呼び止めて掴む力を強くする

月『あ…ま…お願い!話を聞いて!私…何にも怖い事なんてしないから!
本当よ、ちゃんと先生に制御ピアスをつけてもらって…。逃げないで!お願い!』

柚香さんの手を握り込んで、涙を浮かべた小泉さんは柚香さんの目をまっすぐに見る

月『お願い…私、こわくないから…。嫌がらないで…』

その姿に私は胸が締め付けられるような感じを覚える

小泉さんの姿に柚香さんは腕に力を込めるのを止めて問いかける

柚香『ねえ、何で私なの?声かけたの』
月『い、いつも1人で声かけやすそうで…皆の噂話にもあまり混ざらない感じだったし…
ちゃんと話をきいてくれるかもと思って…。友達になってほしくて…』

俯き恥ずかしそうにポツポツと喋る小泉さんに柚香さんは少し微笑んで優しい声をかける

柚香『この学園にきて「友達になって」って初めて言われた、ありがと』

少し困り気味に言った柚香さんに小泉さんは嬉しそうに涙を流した

そしてまた流れるように過去の映像が次々と現れては消えていく
仲良くなったのだろう小泉さんが色々な事をして柚香さんを追いかけ回している様子が沢山流れた

LOVEと書いたチョコレートケーキをあげていたり、トイレまで追いかけ回している様子
そして番犬のように変な人が近づかないようにガルル…と唸っている様子
最後には寮の部屋のベッドに潜り込んでいる小泉さんの映像が流れた

ある意味ストーカー紛いのその行為にすっかり柚香さんは疲れ切っていた

泉水『最近小泉と仲良くしてくれてるんだってな!あいついつも1人で心配だったからさ
あんなアリスだし、友達作りづれーしな。お前みたいな友達できてくれてほっとしたよ』

初等部の移動教室の時間に先生が柚香さんに話しかけている

泉水『…で、お前何その格好』

掌を返したようにようやく柚香さんの姿に触れる先生
柚香さんは鞄を肩にかけて、風呂敷で包んだ荷物を首に巻いている

ひと昔前の引っ越しのよう
というか雲隠れする時の荷物の量

柚香『べ…別に』