【学園アリス】MEVIUS Ⅵ (ページ37)

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泉水『なあちび。後ろを振り返ってばかりで、今いる景色や周りの人間を素通りなんて
ガキのくせにもったいねー生き方してんじゃねーよ』

急に喋り出した先生に柚香さんは目を擦って意識をはっきりさせ、理解しようとしている

泉水『今を生きてこその「人生」だろ。こんな小さな体して…わざわざ辛い事ばかりに目を
向けてないでさ。この学園で沢山友達作ってみんながお互いの家族になって
嬉しい事楽しい事でお腹いっぱいにしてそうやってここですくすく大きくなっていきな』

ぎゅっと力を込めて先生の体を掴む
落ちないように努力しながら、話を聞いている柚香さん

泉水『今の状況に納得いかなくても、前だけ見て歩いてりゃいいことあるさ
それまで俺ら先生はずっとそばにいてやるから。その為なら全力で守ってやっからさ』

かっこつけた後に『聞いてねーか!』と笑い飛ばす
先生から見たら柚香さんは力尽きているように見えていたのかもしれないが
柚香さんは必死にその話を頑張って聞いていた

私からすれば先生の姿に杏樹の姿が何故だか重なった
杏樹も似たような事を言いそうだなとか、実際に言っているんだろうなとか
余計な事が頭を巡り、つい私は口に出す

「凄く良い先生ね…」
野田「はい、私や数多くの人に関わる恩師ですから」

鼻高そうにいつもの顔とあまり違わないがドヤ顔をかましているのだっち
確かに杏樹も先生の教え子なわけだし、わかるけれど

蛍「…また時が進んだわよ」

私たちのやりとりを冷ややかな目で見ていた蛍が呟く
その声にまた過去に目をやると、先生にまとわりついている多くの初等部生達がいた

泉水『だー!お前ら歩けねー!離れろ!』
首や手、足や腰にまとわりつく初等部生達を1人1人引き離している

そのまま教員部屋に入り、教員部屋の扉で全員を振り落とした

席に先生が座ると神野先生が近寄ってきて先生に話しかけている

泉水『え、俺が特力系&特別生徒の担当教諭っすか!?』
とても驚いた様子で神野先生を見つめる

神野『貴様なぞにこれ以上役割を与えるのは不本意だが
校長の弟を無下に扱うわけにもいかんからな』

鼻で笑いながら先生に言い放つ神野先生
眼鏡が怪しく光っている

泉水『あの人、何ものなんすかねぇ…
この間俺より2歳下っつー衝撃の事実知ったんすけど』

死んだ目で神野先生を見つめながら目の前のB組の担任に話しかけている
担任『た…唯の新米教師…の筈』

語尾に近くなるにつれ自信を失っていくように声が小さくなる