【学園アリス】MEVIUS Ⅵ (ページ36)

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泉水『ぐおらー脱走チビー!出てこんかーい。お仕置きじゃー』
叫びながら外壁の付近を練り歩いていると先生の頭上から、電流に弾かれた音がした
すぐ後に梯子から落ちてくる柚香さん

電流結界に阻まれ地面に落下してくる柚香さんを走ってギリギリの所で受け止める先生

泉水『おい!大丈夫か!?』
意識を失っている柚香さんの頬を叩きながら、無事かどうかを確認する
その甲斐あって柚香さんは目を開けるも、間髪入れずに先生を殴りつける

…まぁあお姫様抱っこのような形になっていたし仕方ないかもしれないけど
しかもあんまり先生の事を好きではない様子だったし

先生を振り切って逃げ出す柚香さんに先生は近くにあった小さい石を投げつける

泉水『こらまてくそガキ!』
ドスの効いた声で後ろから柚香さんを物凄い勢いで追いかけ回す

正面に回って胸ぐらを掴みかかる

泉水『てめー…。こんな事で人の気ひいてそれが何か楽しいか
命はってまで他人に心配かけて満足か!何か言ってみろ!』

説教と共に鋭い眼光で睨みつけると柚香さんは諦めたように怯えながら口を開いた
その声は震えている

柚香『…ちがうもん。クラスで柚香にだけ、手紙がずっとこないから…
だからお父さんとお母さんきっと病気かもしれないって…』

小さいなりに自分なりの考えを出していた柚香さんはよく考えていたのだと思う
実際に手紙が来なくなってしまった人たちというのは家族の病気が主な理由だ

しかし柚香さんの両親は見捨て派
そこだけ計算に入れる所が多かった

柚香『学園の人は何も教えてくれないから…手紙もかけないくらい
ずっと具合悪いなんて可哀想…ゆかが行ってあげなきゃ
ゆか、お姉ちゃんだから…弟達やみんな、助けに行かなきゃ…』

力が抜けたようにその場に座り込み、泣き始める
それをみた先生は何かに気付かされたように柚香さんを見つめている

泉水『悪い…』
胸ぐらから手を離し、柚香さんに謝ろうとすると力が抜けた柚香さんはそのままコテッと先生に倒れ掛かる

電流を受けていたし小さな体には負担だったのだろう

はは…と小さな笑いを零した先生は頭を抱えて、柚香さんの頭をそっと撫でる
泉水『完敗…』

寝落ちてしまった柚香さんをそっと抱き上げて歩き始める

泉水『初等部かあー。めんどくせーけど、しゃーねーな…』
小さく呟いて初等部の方へ歩いて行った

背中におぶり、ぶらさがっていた手が少し動いた