【学園アリス】MEVIUS Ⅵ (ページ32)

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泉水『くらぁくそ餓鬼。青臭いパンツ一つで何いっぱしに女気取りだてめー
少しでも賢いなら先生が笑って相手してやってる間にさっさとお・り・ろ?』

ドスの効いたその声に柚香さんの顔が一瞬にして青白くなっていくのが分かる
勿論例外なく私や皆の顔もそう
のだっちだけはいつも通り

どこからかみょーんと伸びてきた時空間の壁がのだっちに何かを囁いている
野田「ちなみに行平先生、地元で有名な暴走族の総長さんだったらしいですよ?」
「ええ…そういう人ってほんとにいるんだ…」
柊人「びっくりなんだけど…」

私と柊人がお互いの肩を寒い時にするように摩っている

野田「とか言っている間にいっちゃいましたね、彼ら」
その声に再び窓の外に意識を向けると、梯子に乗ったままの柚香さんもろとも連れ去っていく先生の姿が映る

「えええ?物凄く危ないけど大丈夫…?」
叫んでいる柚香さんがとても可哀想

気にしている間に時はまた少し進む

校長室の椅子に座っている高校長
今と何も変わらない姿にこれは本当に過去の映像かどうか不安になる

RRR…
机に乗っている固定電話が鳴っていて、それに手を伸ばして受話器をとる

耳に当てる前によく知った怒鳴り声が高校長の耳を貫いていた

神野『この1週間溜まりに溜まった苦情!おたくの弟さん、今すぐそちらにひきとっていただきたい!』
すぐに電話を切ると、同時に電話から伸びていた電話線を引っこ抜いた校長

どうやら先生が学園に来てから1週間が経ったらしい
苦情の電話を終えた神野先生が切れた電話を握りしめながら、先生を睨んでいる

ここはかつての初等部

神野『あなたという人は…この間の梯子女子生徒連れ回し事件といい…
今日の就任式の挨拶といい…』
苦情を言ったのにまだ足りていない神野先生がガミガミと先生に言っている
こういうところは今も昔も何も変わらない

ここで時空くんが気をきかしてくれて就任式の時に移り変わっている

泉水『いえー!お前らー!自己紹介なんてちんたらタルい事俺はしねーぜ!
俺はこの美声で歌に魂の叫びを乗せる!てめえの耳の穴かっぽじってよくききな!
俺の魂に触れなー!今日は無礼講だー!』

壇上に上がった先生はきょとんとしている生徒を目の前にして
バンドマンのMCのようにマイクを握りしめて叫び散らかしている

生徒達は最初は訳もわからず聞いていた様子だったが
先生のノリについていき、拳をあげて笑いながら雄叫びをあげていた

その直後に神野先生の雷と怒号が飛んだ