【学園アリス】MEVIUS Ⅵ (ページ31)

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蜜柑だって両親の記憶なんて今までなく育ってきたのだから急に両親の姿をみて色々考えてしまうのだろう

野田「佐倉さん、僕はこの学園であなたと初めて出会った時、不思議な運命を感じました
まるで幼い柚香さんの姿を借りて、太陽のような先生がここに帰ってきたのかと思うくらいに」

私も感じたことがある
蜜柑を見ていると眩しくて私が干からびてしまいそうだった

野田「あなたの行く末を案じながらも、自身の光で一歩一歩道を照らし
切り開いていくあなたの姿をみて同時にどこか希望を託してしまう不思議な感覚をおぼえました
お父さん譲りの長所を沢山持っているあなただからそんな風に感じてしまうのかもしれませんね」

「のだっちの言っていることがよくわかるわ
私は現代を生きているから昔何があったなんて知らないけど
蜜柑はどことなく柚香さんにも先生にも似ている眩しい太陽のようだと思う」
柊人「先輩…」

…泣いている蜜柑の涙を蛍が拭い、流架も拭う
それを静かに眺めている棗の顔もどこか切なそう

そんなことをしている間に時空の時はまた進み、先生の目の前に学園の外壁に立てかけた梯子を登ろうとしている柚香さんの姿が見える

柚香さんの目には涙が溜まっており、気まずそうに先生を見つめている

神野『ああ行平先生。それ(・・)あなたのクラスの生徒です
初等部B組の脱走常習犯ですから、じゃよろしく』

どこから現れたのか神野先生が早口で情報を告げると足早にどこかへ行ってしまう
それに手を伸ばして追いかけようとしているが、すぐに諦める先生

泉水『え…ちょ…俺がガキンチョクラス担当!?』
焦る先生と柚香さんの間には相変わらず気まずい雰囲気が流れている

その空気を破るように先生が柚香さんに声をかける

泉水『おーいそこのオチビさん?そんなとこいたら危ないよー?ハヤクオリテキナサーイ』

面倒くさそうに、仕方なく叫んでいるその姿は本当に教師なのかわからない

泉水『パンツ丸見えですよー。おじょーさーん。はっずかしー』
柚香『…ばっかみたい。恥ずかしいのはあんたの頭でしょ。ムッツリえろ教師』

今まで黙って止めようとする先生を冷ややかな目で見ていた柚香さんが漸く口を開く
しかし出てきた声は先生の悪口だった

それに何かがプツンと切れた先生が、突如般若のお面をつけたような険しい顔になる
纏っている雰囲気も黒く淀んだものに変わっている