【学園アリス】MEVIUS Ⅵ (ページ25)

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Contents(67)-γ ページ25

急に飛び出した柚香さんに何だか胸騒ぎのするような嫌な感じがある
櫻野先輩の石が無いのにここまで不安を感じるということは私自身の感覚が告げていることになる

揺ら揺らと体が時空間で揺れている
そんな場所に入ったからこそ自分自身の感覚が研ぎ澄まされているのだろうか

流架「さっきの…視界が消えかけててよく分からなかったけど
急に駆け寄ってきて佐倉の名前を呼んでた人、誰だったのかな…」

もしかしてあの人…と続ける流架に蜜柑は何かを強く考えている

実際思っている通りではあるが、ここにいる人物で知るのは私と柊人だけ
のだっちでさえ知らない

野田「みなさんの想像通り柚香さんがあの場に密かにいらっしゃったのかもしれませんね
…ありえない話ではありません。彼女があなたを外へ連れ出す話が出てるくらいですから
だとしたら佐倉さんの先程の拒絶を柚香さんは聞いていらしたんですね…どんな思いで…」

「のだっちデリカシー…」

思わず私は頭を抱えてしまった
野田「あっすみません!変な意味じゃなくて、あのえっと…」
柊人「変な意味って何?」

必死で弁明するのだっちに私と柊人は冷たい視線を向ける
…考えをやめようと私は頭を横に降って余計な考えを追い出す

流架「野田先生は佐倉の両親と知り合いなんですか…?」
この空気がまずいと思ったのか流架が話を逸らしくれた

柊人が隣で小さく「ナイス流架」と呟いたのが思わず聴こえてしまって私は少し笑ってしまった

野田「はい、佐倉さんのお父上は私の恩師で特力系組(クラス)の担任で
柚香さんはその特力クラスでの僕の後輩でした」

そして杏樹の恩師で、パートナーだった柚香さん
蜜柑との繋がりは切っても切りきれないものだ

野田「さてと…この辺でいいかな
窓を作る間みなさん決して手を離さないでくださいね」

のだっちは私と繋いでいた手を離して、時空間の壁にその手を突っ込んだ
波を掻き分けるように丸く、手を動かしてのぞくための穴を作っていく

それに皆びっくりしている
…私は昔時間旅行をしたことがあるから別に気にはならないのだが他のみんなはそうもいかないらしい

野田「こちら側にいるとわかりにくいですがこの穴、外からみると凄く小さいんです
だからそうそうバレませんが穴から外に落ちたら体は外のサイズに戻るので…」

「要は小人が窓から落ちると巨人になるようなもんよ」

私の付け足しの説明に納得していく皆