【学園アリス】MEVIUS Ⅵ (ページ22)

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流架「あなた方が隠してきた事で、この学園に来た時からずっと苦しんで
振り回されてきた佐倉には、今、この先の未来を決める大事な時だからこそ
…話してください。決めるのは佐倉です。あなた達大人じゃない
それ以上佐倉本人を無視して、見えない鎖で彼女を苦しめないで」

お願いですと言う流架の発言には納得する部分もある
大人達、というのは高校長や先生達を指しているのだろうが
櫻野先輩や私達、事情を知る生徒の事も含まれている

…蜜柑を守りたいという気持ちは同じなのに敵対する事になってしまった訳だ
入学当初から星なしや通信遮断などといった処遇の悪さは蜜柑のアリスからなるものだった

確かにその理由を本人は知る権利がある

「…いいんじゃないですか。確かに私達は全てを蜜柑に話している訳では無いし
この先、このガキ達は全てを受け入れて納得するまで蜜柑を外に出す気はないみたいですし」

ガキ達の言葉に感化された訳ではないが、私も言葉を続ける
その言葉に高校長はため息をついて、のだっちを呼ぶ

高校長「野田先生、初等部校長につけられたその制御ブレスからくる
アリス(タイムトリップ)妨害波はもう攻略できましたか?」
野田「はい、照準時間と帰還時間に多少の誤差はあれど…」

柊人「何言って…」

一見何の繋がりもないようなこの会話
しかしのだっちのアリスはタイムトリップ
「全て」を知りえる上で必要不可欠のアリス

野田「…こんな時の為に今まで随分アリスの不具合と称して
ブレスレットの妨害と戦う訓練を重ねてきましたから
何なら何人かまとめてでも…」

…今まで散々急にアリスの発生でいなくなることはあった
確かにアリスの不具合も含まれているけれど、ソレ以外の原因もあった訳だ

高校長「さっきも言ったように君達に今、納得してもらえるだけの諸事情を
話してきかせる時間は残っていない
だが野田先生のアリスを使って、過去に何があったのかその目でみて
今この時間にまた戻ってくるというなら話は別だ」

私が考えていた事そのものを高校長は発言する

神野「校長、それではあまりに乱暴では…」
高校長「過去にこの学園で何があったのか、そこで君の母親は何をしどのような人物だったのか
他を介さず、ありのままを見て、そして自分で決めなさい
自分の行く道を」

神野先生の声を遮って高校長は続ける
考え込む蜜柑を気にかけていると杏樹が急に私の手から離れていく