【学園アリス】MEVIUS Ⅵ (ページ20)

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…柊人は私と一緒で強く自分の気持ちを押し殺している

鳴海「あなた方は一体…何を言って…」
今言われた衝撃の計画に杏樹も理解が追いつかないようだった

「ナル!落ち着いて!…これは私達が取る蜜柑にとっての最善の選択なの!」

私の声に驚いたようで、私の顔を見つめる
君も知っていたのか、それで何で
…杏樹のその気持ちが痛いほど伝わってくる

神野「鳴海先生落ち着いて。これはあなたが考えた案も勿論考慮に入れた上での結論
今回の騒動に関わってそこにいる月城や日向をはじめ、立場を悪くした生徒が大勢いることをお忘れなく」

神野先生が私の前にでて、庇い立てる

神野「鳴海先生、あなたまでこの学園から消えれば、誰が彼らをサポートしてやれるのです
彼らの手を振り切ってまで、あなたは一生徒(佐倉)の為に
この先の人生を投げるというのですか」

以前、杏樹に言われた言葉が頭をチラつく
いつでも投げ出せる立場…そんなもの私の方がない

杏樹は初等部の生徒を受け持っている
投げ出したら一体誰がソレを救うというのか

鳴海「しかし…ここで彼女の母親を引っ張り出すなんて
それこそ非現実的な…!」

そこまで言って杏樹はハッとした顔になる
ここに柚香さんがいる事を知らないから「非現実的」だと言える

しかしここいるのであれば一気に「現実的」な案になってくる

一つの扉を見つめる杏樹に、私は柊人にごめんと言ってから近寄っていき手を取る
「…ごめん。何も話せなくて…。でも私はナルの味方だから…」
鳴海「A…」

強く握り返してくる杏樹
少しだけ落ち着いてもらえたのだろうか

蜜柑「いやや…。そんな人と逃げるなんてウチはいやや…」

騒然としていた空気を壊すように蜜柑が呟く
蜜柑にとっての柚香さんというのはいい印象がないのは確か

しかし…

「…柚香さんはそこまで悪い人じゃないの」

柚香さんを知らない筈の私の発言に杏樹はぎょっとしているが今は気にしていられない

蜜柑「何でウチが…ウチの友達を傷つけたあの人と…」

やはりそうだ
蜜柑の記憶には蛍や飛田くんを傷つけた印象しか残っていない

高校長「しかし君にとってこの学園に残るということがどういうことなのか…」
蜜柑「いやや。大体さっきからウチのことばかり…
ウチだけまた外に逃げたりしたらウチを助けた棗や蛍、流架ぴょんやみんなはどうなるの!?」

蛍「蜜柑…」
蜜柑「みんなを放ってまたウチだけ助かれっていうの?」