【学園アリス】MEVIUS Ⅵ (ページ15)

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瑠衣「個人的には今回の展開、気の進むものではないけれど
あなた方の首を差し出さない事には
事態も馬鹿な後輩の処遇も危ぶまれるもので、すみません」

瑠衣先輩もやりたくてこの立場にいるわけではない
仲間である後輩の罰則などやりたくない筈だ

ゆっくりと瑠衣先輩の口元に人差し指と中指が当てられる
そこから立ち登る呪煙がゆっくりとこちらに向かってくる

「だめぇ…っ!」
私は思わず庇う柊人を振り払って限界の体に鞭打って立ち上がる
杏樹を突き飛ばし、瑠衣先輩の目の前に飛び出てくる

鳴海「A!」柊人「A先輩!」
瑠衣「…Aちゃんっ」

呪煙のターゲットが杏樹ではなく私に切り替わったのをみて瑠衣先輩は思わず息を呑む
私も冷や汗が頬を伝って流れる

アリスが発動できれば…!
強く体に命令を放つも、アリスは上手く発動しない
呪煙がいよいよ私に到達しようとした所で目の前が突然明るくなり思わず目を瞑る

「ドンッ」という衝撃と音と共に人が倒れる音がして私は目を開けると
そこには倒れ込む瑠衣先輩と風紀隊がいた

今のは…

思わず腰が抜けてしまい、へなへなと座り込んで後ろを振り返る
今の衝撃に驚いた杏樹と柊人も後ろを見ている

　
「神野先生…」
後ろから現れたのは初等部総監督の神野先生

急に現れた人物に杏樹も呆然としている

神野「…ある方から鳴海先生達を助けるように、と」
周囲を警戒し、追手がいない事を確認しながら口を開く

月城は理解出来るな、と付け足すと私はゆっくりと頷いた

…助かったのだろう
高校長が助け舟を出してくれて神野先生が応援にやってきた

柊人「何これ…」

一見初校長側の神野先生が何故こちら側を助けるのかが理解できていない柊人と杏樹は混乱しているみたいだった

「…大丈夫、神野先生はちゃんと味方よ」

落ち着かせるように私は呟くと、柊人の肩を借りて立ち上がる

神野「月城、櫻野の石は?」
「容量越えてもう手元には…」

神野「…そろそろ無くなる頃だろうと櫻野は言っていたが本当だったようだな」

そう言うと神野先生はポケットから一つの石を取り出した
よく見るその色のアリスストーンは櫻野先輩のもの

石の大きさからみて1回か2回しか使えない急速に作り出した石だろう
流石櫻野先輩

直感のアリスの所為かもしれないが、私の状況を読みすぎている

鳴海「Aや神野先生は一体…」
「…それは私たちの大元から聞いた方がいいわ」