【学園アリス】MEVIUS Ⅵ (ページ14)

今日:18 hit、昨日:1 hit、合計:18,444 hit

｜ページ14

頭痛が更に加速していくように、私たちの束の間の休息を風紀隊が取り上げる
「いたぞ!」

私たちがいる場所を必死に探していた風紀隊が木をかき分けるようにしてこっちにやってくる
それに気づいた杏樹が蜜柑を突き飛ばして風紀隊に向かって走っていく

「杏樹!」
蜜柑「鳴海先生!」

私と蜜柑の叫びは彼を引き止めるには足りない

軽く舌打ちをして私は杏樹を背にして棗に言った

「棗、蜜柑を連れて逃げて。2人で逃げるならアリスの負担も少なく逃げれるでしょ」
棗「っち…」

私の声を聞いた棗は立ち上がって蜜柑の手をとり、走っていく

「柊人、あんたも…」
柊人「嫌だね。棗のこと庇っているけど、自分も相当しんどいくせに
どいつもこいつも強がりやがって。…俺だって先輩の事守れるよ」

「…御坊ちゃまは何処へ行ったのやら。…さあやるよ!」

私はこの状況だったが思わず笑った
痛む頭も笑い飛ばしてやった

杏樹の背中を追いかけ、力を貸す
制御ピアスを緩め、思い切り使うように意識する

それでも普段の半分もアリスが出せない
仕方ないけれどそれを補うように柊人が磁場操作をして風紀隊を潰していく

鳴海「どーして…」
「1人にしないって言ったでしょ」

それに杏樹は笑みを零す
「…っ」

一瞬目を離した隙に風紀隊のアリスが飛んでくる
これは颯と同じかまいたち…

ギリギリでかわすも、杏樹の肌を切り刻んでいく
鳴海「い…っ」
「杏樹!」

私が名前を呼ぶと、大丈夫というようにアリスを使って風紀隊を倒していく

鳴海「平気だよ…」

次々と私達はアリスを使っていく
風紀隊のアリスは潜在系が多く、無難なものだ
攻撃も単調で読みやすいがその分攻撃力は高い

＿＿全ての敵を倒した時私は思わず倒れ込んだ

鳴海「A!」柊人「先輩!」
「大丈夫、だから…」

息切れが凄い
アリスと体力の消耗が激しすぎる

…さっさと罰則面を取り除かなければ

肩で息をしていると再び風紀隊が目の前に現れる
その兵隊を率いている人物に私は思わず息を呑む
遂にやってきたか、と

「瑠衣先輩…」
私と柊人を一瞥すると先輩は喋り出す

瑠衣「流石ですね。普段は道化ていてもいざとなればかつての腕は健在というわけだ
まあ罰則面を着けているとはいえ、Aちゃんも柊人もいたみたいですし当然…というわけですね」

歩を進めてくる瑠衣先輩に杏樹は1歩、また1歩と後退する
倒れた私を庇う柊人も息を呑む
瑠衣先輩の呪煙に巻かれたら一巻の終わり