【学園アリス】MEVIUS Ⅵ (ページ11)

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のばら「逃げて蜜柑ちゃん!」

その声に何が起きたのか理解したペルソナや初校長の顔が驚きのものに変わっていく

「…柊人っ!」
柊人の名前を呼ぶと、彼は私の腰のポーチに手を触れ、強い念を送る

その瞬間目の前が炎の世界になる
瞬間移動の石を使わせ、棗と蜜柑の場所にくる

鳴海「こっちだ!」

私達が動いたことに気づいた杏樹は風紀隊を転ばせ、ドアを開け放つ
私は瞬間移動した直後自分の足で立ち、棗と蜜柑の手を取る

蜜柑「先輩!鳴海先生!」
のばら「行って!蜜柑ちゃん、Aちゃん!」

「…いくよ!」

先程の瞬間移動で櫻野先輩の石を使い切ってしまい、消えてしまった為
私達4人は杏樹の元まで走る

蜜柑はのばらを気にして部屋の中心を見ているが私はそれに喝を入れる

「今は!逃げるしかないの!わかったら走って!」
私のその声に、いや鴉のお面をつけた私にびっくりしたのかは知らないが…
意を決した蜜柑は先を走る私達についてくる

まだ気にしていたようだったが棗が腕を引いている

鳴海「…A…それ!」
「大丈夫、今は走る!」

罰則面を気にした杏樹が声をかけてくるが今はいい
だいぶ慣れたし走れてもいる

月「何をしてるの風紀隊!早く氷を何とかして…追うのよ!
あの娘…盗んだ私のアリスストーンを持ったまま…」

部屋から聞こえてくる小泉さんの叫びに私は一瞬後ろを振り向いた
そこには鋭い睨みを効かせた初校長の姿と、のばらに仮面を投げつけるペルソナが見える

そして小泉さんが部屋から飛び出して私達を追ってくる

月「逃がさないわよ佐倉蜜柑!待ちなさいよおおぉ!
この盗人!!!アリスを返せえ!」

広い廊下に木霊する小泉さんの声が私たちの背中に向かって投げつけられる

柊人「どうする!?どうせ瑠衣先輩達が追ってくるよ!」
「知ってる!取り敢えず広い外に出るよ!」

走りながら柊人と私はどうするか叫ぶ
この後どうするかなんて考えてもいなかった

とりあえず捕まったら終わりだ

外に出ると外には風紀隊が溢れかえっていた

もうアリスで連絡がいったみたいで兵隊の操作が早い

鳴海「こっちだ!」
「前!」

私たちの方を見て、先の道を提示する杏樹の前に風紀隊がいきなり現れる
テレポーターか…

やられた、と思いつつ舌打ちをする
交戦する為に前に飛び出ようとすると、その前を小さな物体が通り過ぎ風紀隊を蹴り飛ばす

「ベア!」

小さな物体は喧嘩が大得意の要が作ったぬいぐるみ、ベア

蜜柑「ベア…あんたなんで…!」