【学園アリス】MEVIUS Ⅵ (ページ2)

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杏樹に連られて外の道を歩いている
少し先には見知った人物が立っているのが見える

「杏樹の用って殿内先輩だったの?」
鳴海「彼には色々調べて貰っていたんだ」

殿内先輩と合流すると怪訝な顔をされた

殿内「A…?お前大丈夫かよ。学園中でエライ騒ぎに…」
「大丈夫です。何とか精神は保ってるつもりなので」

先輩も翼先輩の事を知らされたのだろう
いや、発言からして噂から辿っていったのかもしれない

どちらでも構わないけど

殿内「…無理すんなよ」
「ありがとう…ございます」

私は思わず肩を竦めた
それを見た先輩は杏樹に向き直ってポツポツと語り始めた

先輩の口から出てくるモノは私に幾つもの衝撃を与える
それらは全て私が機密事項として喋れないものばかりだった

この情報を何処から仕入れたのかは知らないが、杏樹が私ではなく殿内先輩に聞いたのも頷ける
私は立場上喋ることができなかったから…

杏樹の役に立てなかったから…

先輩が喋り終えてすぐ電話の着信音が鳴り響く
それは先輩の携帯が鳴らしたもので、一言断って電話に出る

内容から相手はよく知る人物だと推測できる
一瞬私の事もみて「Aなら大丈夫だ。柊人もそう言ったんだろ?」と言った

私も心配されているらしい
確かに知らされた時は目の前が真っ暗になったけど

電話を終えるとため息をついた先輩に杏樹が話しかける

鳴海「電話の相手、特力の…原田美咲ちゃん?」
「…推測するにいよいよ蜜柑も知っちゃったわけだ、翼のこと」

殿内「蜜柑の奴思った通りパニクって…
翼の危力系行きの件も自分を責めているみたいです
美咲らだけに任しとくのも可哀想なんで俺、戻ります」

伏目がちになっている先輩

殿内「高等部の穴の件は俺が今分かる情報はこれだけです
鍵の入手についてはできるだけの事はします
…Aは一切喋れないでしょうし」

その通り
鍵についても知っている事はあるけれど、喋れば後にどんな責任がついてくるかわからない

鳴海「ありがとう殿内くん
これ以上Aを利用するワケにもいかないから助かるよ」

利用、ね
杏樹に利用されたことなど思い返しても全くない
何かあったかな、と考えを巡らせる

鳴海「翼君の件、学園も今必死に継続捜査してるから
彼が戻る事だけを信じて気を落とさず…」

大丈夫、翼は帰ってくる

その言葉に被せるように先輩は口を開く