【学園アリス】MEVIUS Ⅳ (ページ9)

今日:8 hit、昨日:5 hit、合計:26,485 hit

｜ページ9

ねー?と首を傾げられるが、私は事後に聞いただけで私の意見は全く反映されていない
同意を求められる理由がないように感じる

鳴海「今回で少し肩の荷がおりたかな…。蜜柑ちゃんのおかげだ」
腕を空に伸ばし、のびている

確かに棗と葵ちゃん、流架を学園に連れてきたのはナルと槙原先生、ペルソナだけど
ペルソナに責任があるのであってナルにはないだろうに
ていうか肩の荷がおりても、その腕は治らない

「調子に乗るのもいい加減になさい」
ナルに小突かれたように私も彼を小突く

鳴海「ごめんごめん…」
ふふっと笑う彼の顔は本当にスッキリしていた

ひょいっと蜜柑を肩に担ぎ上げる
重くない?平気?

彼の心配をするが、するだけ無駄なようだ

鳴海「さーて強制送還といきますか。いいよ、何も話さなくても
ちゃんとわかってるから。ね、A」

急に私に話を振られる

「うん…。まあ私もわかってるからって言われる側なんだけどね?」

ナルを軽く睨むと急にナルがズッコケた
「え?」

ナルは転んだだけだが、蜜柑は吹っ飛んでいる
大丈夫?

「棗…」
後ろを振り返れば棗と、少し遅れて流架が走ってきた
そうか、棗が蹴り飛ばしたのか

柊人は真面目だから教室かな
1人でえらいやつめ

棗「勝手に抱くな。…何が肩の荷だ。似合わねーこと言ってんじゃねえ」

へえ、そういうこと

ここで蜜柑がむくりと起き上がって棗を見つけると泣き叫んだ

蜜柑「棗ー!?何やあんたはいきなり…。こらー!ちょっとまっ…」

私はガキ達のそのやりとりに声をあげて大爆笑した

「あはははっ!!面白いねー君たちはっ!!」

涙が自然と出てきて、指で拭う
その姿に蜜柑も流架も、先に進んでいた棗もギョッとしてこっちをみる

蜜柑「A先輩ってそんなに笑う人やったんや…」
鳴海「Aは面白いことがあると、こんな風に笑う子だよ、昔から」

棗に蹴られ、言われ、呆然としていたナルが立ち上がってくる

「何そのパパ目線。嫌なんだけど…」
ナルのそれでさえツボってしまう

笑う私を見るのが飽きたのか棗はまた先に進んでいく

流架「あ、棗っ」
蜜柑「ほな、またな鳴海先生、A先輩っ」

それを気にした2人は棗を追って走っていく
この場に残されたのは私とナルだけ

ナルの方をチラッとみると、何やら満足そうな顔をしていた

鳴海｢…たのし?｣
｢うん、すっごく｣

鳴海｢任務で大変だったろうけど、笑ってる方が可愛いよ｣

ああやっぱり、好きだなと実感した瞬間だった