【学園アリス】MEVIUS Ⅳ (ページ46)

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「なんということでしょう!
ただのハードルかと思ったらこれは『予測不能伸び縮みハードル』です!
早速第一犠牲者発生です!」

その実況を背にのだっちが潜ろうとすると、ぎゅっと縮まりハードルがゴンという鈍い音を立ててのだっちの頭を打つ
…ナルものだっちも痛そう

私は隣で顔を押さえて蹲っているナルとのだっちを笑いながら追い越す
ここは持ち前の運動神経で乗り切ることができそうだ

飛び越えようとすれば伸びるハードルなのだから、フェイントをかけてハードルを伸ばし、私はそのハードルの下を潜ってやり過ごした

「楽勝〜!ごめんねナル!」
走りながら後ろのナルに捨て台詞を吐く

外野からは「コラ起きろナル!」なんて言われている
扱いが雑なのよね、やっぱり

先頭を走っていると実況のアナウンスが耳に入り、状況を知ることができた
蜜柑とスミレが私と同じ持ち前の運動神経とアリスで切り抜けて私の後を追っているらしい

「跳ぶも地獄、くぐるも地獄!これはまさに勘や反射神経がモノをいう競技!
佐倉蜜柑と正田スミレ、なかなか順調な滑り出しです!」

ハードルを抜けて走ると目の前には大量の「玉」と立て看板
看板には「好きな玉を選んでその玉に乗って次のバトン地点まで進みなさい(一度手に取ったらその玉以外選べないので注意)」と書いてある

「おーっとトップ集団ハードルを抜け、第二関門の玉乗りにきました!」

うーん、どうしようかな
まともに玉乗りしてゴールなんて運動神経が良くてもできるわけないし

少し考えを巡らせると視界の端に入ったピンポン球くらいの大きさのボール
それを靴で踏んづけて靴で線を引く時のように足を引きずりながら物凄いスピードで歩いた

どれだけ後ろとの差を開くかだと思っている

「トップ月城A!それは玉乗りなのでしょうか!グレーですがオッケーです!」

とりあえず玉に乗ってるからこれでいいのよ、と思いながらトップを独走する
私の後を追っていた筈の蜜柑とスミレは玉選びに戸惑っている

スミレがとった手頃サイズの玉が逃げ玉で、ぴょんぴょん跳ねて逃げていて可哀想

「まんまと手頃サイズの玉を手に入れた正田スミレだが、それは逃げ玉だーっ!
ラッキーかと思いきやとんでもないハズレを引いたあ!これは玉選び大変な作業です!
一気に他の選手に緊張が走ります!」

そしてそれをみていた蜜柑があたふたしていると、先ほど最下位だったナルとのだっちに追いつかれている
おいおい大丈夫?