【学園アリス】MEVIUS Ⅳ (ページ42)

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ずっと不安で寂しかった、と翼に抱きついて大泣きしている蜜柑
翼の顔を伺うと何かに気付かされたようにハッとしたあと蜜柑の頭を撫でる

翼「わりい随分不安にさせちゃってたか
折角お前初めての体育祭なのに俺、留守して何にも教えてやれなかったんだもんな

仲間とろくに一緒に練習できないなんて確かに体育祭の楽しさ半減させちゃったな
ごめんな蜜柑、でも大丈夫!終わりよければすべてよしだ

今日の体育祭盛り上げて盛り上げまくって今までの憂さ
おつりがくるくらい一気に蹴散らしていこーぜ!」

最後に綺麗にまとめた翼
側にいた特力含めた蜜柑と仲の良い白組も含めて拳を空高く突き上げた

私と柊人は真顔だったけど
今日はとことん赤組に付き合うって決めた以上仕方ない

柊人「…まあ士気は上がっていいんじゃない」
私の心情を察した柊人がフォローを入れてくる

「フォローありがと…」
ちょっと気まずい
まさか柊人に察せられていたとは思わなかった

ぼーっと翼と蜜柑のやり取りを見ていると
私にしか聞こえない柊人のテレパシーを受信する
柊人『…先輩あっち』

柊人が見ている方面をチラッとぎりぎり視界に入る程度で確認する

柊人『この間の蜜柑が風紀隊から普通に帰ってきた件に関して転入生の周りから噂話が流れてる
あいつらはもう全員あいつのアリスに喰われてるみてーだけど注意しないと皆喰われるかも』

成程ね
日を追っていくごとに手駒を着々と増やしていったワケね

テレパシーで柊人の話を聞いていると棗が蜜柑に話しかけていた

棗「おい」
蜜柑「なななな棗…」

気になる所ではあるけど、そろそろ生徒会の方に行かなければならない
どーせ棗はこの調子だとサボりだろうし放っておこう

「…柊人、悪いんだけどこの2人の会話聞いといて
なんか問題があるみたいだったら後で報告して」
柊人「…おっけー」

ボソッと柊人の耳元で呟くと了承してくれる
後が気になるが私はその場を後にした

歩いていく途中で小泉月と目が合う
流石に気分悪いのでサッと目を逸らしたが薄らと笑みを浮かべていた気がした

ターゲットが蜜柑だかなんだか知らないけど今に見ていろと悪態をつく
体を小さくしてまで任務を遂行しようとするその姿勢に反吐が出そう

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壇上にはプリンシパルが並んでいる
勿論校長達も少し離れた所に並んで座っている

気まずい雰囲気が漂っているように見えるがその気配は薄い

流石歳をとっているだけある
ポーカーフェイスが上手い