【学園アリス】MEVIUS Ⅳ (ページ41)

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体育祭当日
空には雲ひとつなく、青空が広がっている
絶好の競技日和

しかし私はこの太陽のキラキラとした眩しい日差しに目眩がしそうだった
半分闇に浸かったこの体が太陽の光に蝕まれていくような感覚になる

クラっときた私が立ち止まると正面からやってきた柊人に手を掴まれ支えられる

柊人「大丈夫?先輩」
「ありがと、柊人
ちょっと立ち眩みしただけだから大丈夫…なんか背、伸びた?」

私を支える柊人が以前よりも大きく見える
目線が合う位置が以前よりも高い
会わなかった間にいつの間にか成長したんだな

柊人「ちゃんと水分とってよねーまだ今日長いんだから倒れんなよ
そーなんだよなちょっとだけ伸びた」

なんだか喋り方も少しだけ大人っぽくなった気がする
多分気のせいかもしれないけど

「ありがとう、そうする」

柊人と少し話していれば翼達がやってきて合流する

「おはよう翼、ちゃんといて安心したよ」
翼「ったりめーだろ、俺もAが居て安心したわ」

お互いに同じことを言って、顔を見合わせてプッと吹き出して笑った

「バッカみたい、お互いに心配して」
美咲「あたしからみてもそう思うよ、今日は頑張ろーぜA!」
「勿論!」

腹を抱えて笑っていると側で見ていた柊人が呆れ始めた
呆れないでほしい
私はツボが浅いんだ多分

そう言い聞かせると視界の端で蜜柑達がはしゃいでいるのが見える
それに気づいた翼が少し笑みを浮かべると近づいていきふわっと蜜柑を抱きかかえた

翼「こーら何敵に愛想振りまいてんだ?
あれ、ちょっと大きくなったか?暫く会わない間に」
蜜柑「翼先輩…っ」

初等部生だからいいけど、いやよくないか
それセクハラにならない?

殿内「こらー翼、何セクハラしてんだてめー」
柊人「殿先輩も一緒でしょ」

後から追ってきた私たちが今の翼の行動に文句を言う
やっぱりセクハラだよね、と内心納得

蜜柑「先輩達っ」
私たちに気づいた蜜柑が涙を浮かべた目を閉じ、翼にしがみついた

蜜柑「翼先輩のバカっ。ずっとどこ行ってたんもーっ
いつ特力行って探しても先輩いーひんし、ウチさみしかってんから
一緒に体育祭の話したり練習したり、他に聞いてほしい話もいっぱいいっぱいあったのに

翼先輩がそばにいてくれたらって何度も思ったりして
なのに勝手にずっと留守して…もう先輩ウチらのこと忘れたんかと思って…」

任務で学園を開けがちになっていた翼に蜜柑が爆発する
蜜柑を守る為とはいえこれじゃ本末転倒ね