【学園アリス】MEVIUS Ⅳ (ページ30)

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初校長「それは今後の君の働き次第で、いつでも彼も他の生徒の処分も考え直してあげないわけではない
そして今から君がこちらの質問にキチンと答えてくれるかどうかにもよる
話すんだ、詳しく。あの日の高等部で何が起こったのかを…」

脅迫に近いような威圧感を覚える
ペルソナがフードを被っていても睨んでいるのがわかる

痛む体に鞭を打ち、私はゆっくり首を振った

「…隠さない方がいいわ」
庇いたいのは山々だけど、今ここで庇うことは今後の私たちへの対応がただ悪くなるだけ
あまりいい考えではない

殿内先輩もわかってくれたようで、出された質問に少しずつ答えていった
あの日起こったことを

今思えばよく今日まで隠し通せていたなと思う

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質問が終わった後、もう一つの本題をナルが切り出した
今後あの件に関わった人たちの処遇がどうなるかを委ねる先輩への仕事の話

鳴海「君にやって貰いたい事なんだが、単刀直入に言うと
君の同級生の櫻野秀一と今井昴、彼らの校長への忠誠心を試して貰いたい」

…今度は先輩達が危ないということか
私が関わる人たちがことごとく狙われていく
もう嫌…

ナルにもこんな思いをさせてしまっている

鳴海「いや…彼らの尻尾を掴むと言った方がいいかな
彼らの企みが具体的に何であるか
こちらにとってそれが害になるようであればこちら側も彼らに対応する術を考えなくてはならない」

私や櫻野先輩が関わっている高校長派閥の人たちが危ない
最近私は高校長と関わっていないから私から綻びが生じることはないけれど
それでも何か私ができることを探さなくては…

…このままでは初校長を追い詰めるどころか逆に追い詰められてしまいそうだ

初校長「期待しているよ、殿内くん」
黙って自らに課せられたことを聞いていた殿内先輩
それに不気味な笑みを浮かべた初校長が呟く

これが最後のやりとりで殿内先輩はこの部屋を出ていってしまった

初校長「さて鳴海先生も席を外して構いませんよ
…Aはもうだいぶ動けるね?これから行って貰いたい所の資料だ」

ナルにもお役御免を伝える
この部屋から出ていくナルに聞こえるように任務があることを伝え、資料を渡してくる

言われた通り私はだいぶ痛みと電流に慣れ、椅子に体を預けなくとも動けるようになっていた
引っ張られながら歩いていたが今なら自立もできる

「…はい、校長先生」

返事を返し、部屋から出ていくナルを見ると歪んだ表情で唇を噛んでいた
ごめんね、ナル