【学園アリス】MEVIUS Ⅳ (ページ19)

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バレンタイン当日
昨日のうちに他人にあげる予定のチョコレートを作った
何も危ない物は入っていない普通のもの
美味しそうなフォンダンショコラが作れた

普段お世話になっている人たちに配ろうと思う

朝食の時間、翼とメガネ、それから美咲にチョコレートを渡す

メガネ「さんきゅーA!これで0は免れたぜ」
美咲「うわっうまそー。大事に食べるわ」
翼「…さんきゅ」

お礼を言われる
相変わらず翼は浮かない顔

「今日は逃げ回るんでしょ?はやくご飯食べたほうがいいんじゃない?皆狙ってるわよ」
周りを見渡すと、男性陣の目がギラリと光っているのがわかる
復讐目的の狙いが定まっているようだ

翼「あぁ今年も始まってしまったバレンタイン…」
「そんなこと言ったって仕方ないじゃない」

寝て起きれば日は廻る
それはこの世の摂理

私も目をつけられないうちにさっさと朝食を食べて逃げることとしよう
とりあえず中等部での目的は果たせた

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朝食を食べ終えた私は高等部の生徒会室に櫻野先輩、今井先輩、静音先輩の為のチョコレートを瞬間移動させた
テーブルの上に置かれるようにしたから何があっても気づいてくれるはず

初等部には少し熱りが冷めた頃伺おうと思う
夕方寮に行くのがいいかな

私は着物を着て姫様の庇護下である花姫殿を訪れていた
今日ここへは私しか来ていない
女のコは皆チョコレートを意中の相手に渡そうと奮闘しているからだ

姫宮「萌黄は今年もここへきたのか」
「ここが一番安全ですから」

姫様に返事を返すと、口元を隠しながら笑われた

姫宮「そういえば色々あって渡しそびれていたが、これを持っていくといい」
そういうと姫様は私に向かって一つの石をくれた

「これは…姫様のアリスストーン…」
姫宮「以前渡したのは使い切ってしまったのだろう?遠慮せずに持っていけ
私の可愛い萌黄。私がいる限り私の結界が萌黄を守ろう」
「…ありがとう姫様」

そういえば姫様のアリスストーンは少し前に使い果たしてしまっていた
色々なことが起きすぎてすっかり頭から抜けていたけど

しかしこれでまた姫様が私を守ってくれる
無茶しないようにしないと

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午後になり大方バレンタイン騒ぎが落ち着いた頃
私は初等部の寮に向かっていた
本人がいなくとも寮の部屋に投げ込んでおけばいい

「あれ、こんな所で何してるの」
柊人「A先輩」

どうやら投げ込む必要はなさそうだ
目的の人物に会うことが出来た