【学園アリス】幼馴染の鳴海先生 Ⅳ (ページ31)

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あの後、バルコニーから杏樹の所へと戻り、2人壁際でグラスを持ちながら会場を眺めていた
先程の話も重要点を伝え終わる

鳴海「今後僕たちにも何かしらの『役割』が与えられるだろうね。初校長側から高校長側に移った今、何か出来る事をしないと。それは僕らが出来る柚香先輩から任せられた仕事だ」
「うん…」

暫く2人で話しているとクリスマスパーティーはクライマックス
教師としての役目を果たすため、私達は各クラスの点呼・指示出しの為に一旦散った

翼「Aっち、さっき棗と流架の会話盗み聞きしたんだけどさ…。棗の体って…」
「…相当ヤバい筈よ。レオに拉致られた辺りから相当ヤバいって聞いてる。アイツの体に残された時間があとどのくらいなのか分からないけどどうにかしなきゃいけないのは分かってる」

解散した後、翼がそーっと話しかけてきた
内容が内容だったので私も声の大きさを絞って答えた

翼がどんな会話を聞いたのかは知らないけれど、相当切羽詰まってたって事だろう
棗は流架には体の事隠していた筈だし、流架と体の話をしていたという事はそういう事だ

翼「さっさとケリつけねぇと…」
「大丈夫。それは大人達も動いてるし、何か手伝ってほしい事あったら言うから。…特に翼(あんた)は危力系だから」
翼「力になるからその時は頼むぜ、Aっち」
「えぇ」

でももしその時が来ても何も言わない気がする
…学園中を巻き込んでケリをつけるってなれば、協力を仰ぐだろうけど

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「クリスマスってさぁ、嫌いだったんだよね」
鳴海「どうして？」
「杏樹が構ってくれないからよ」

私が笑いながら言うと、杏樹は頭を掻いて苦笑いをする

「クリスマスパーティーはいつも一緒に過ごしてくれるけど、クリスマス当日は構ってくれなかった。生徒の頃は杏樹って柚香先輩と一緒だったし、柚香先輩が居なくなった後は女の子と遊んでた。教師になってからは仕事もあったけど、避けられてた感じするし」
鳴海「避けてた訳じゃないんだけどね。クリスマスの過ごし方が僕には分からなかったんだよ」

それもそうね
杏樹は色々不器用だから

「じゃあ今年のクリスマスは私にくれる？」

真っすぐ杏樹の目を見つめると、杏樹の瞳は揺らいだ

鳴海「だけど僕は…」
「知ってる。柚香先輩の事を今も好きなのは。それでもいい。『全て』が終わるまでに絶対私に振り向かせる」
鳴海「ごめんねA…」

ちょっと強気に出ちゃった
これくらいいよね