(45)共通点 ページ26
窓際に寄り、そこに置いていた灰皿を自分側に手繰り寄せて灰を落とす
昨日の懲罰部隊での任務の情景が目に浮かぶ
…苦しい
私はこうやって煙草に手を染めていく
…コンコン
誰かが私の部屋をノックする
こんな姿誰にも見せられない
そう思った私は居留守を決め込んだ
…コンコン
再度強くノックがされる
しかし私は扉を開けなかった
友人ならここで諦めて自室に帰っただろう
だけど目の前の扉は開け放たれた
「…ナル」
そこから入ってきたのは明るい髪をしたナルだった
私の惨劇を見たナルは眉を顰め、唇を噛み、これでもかという程目を見開いた
鳴海「これはどういう事？」
「…ごめんなさい」
ナルの足は段々と私に近づいてくる
私には逃げる場所もなく、唯この場に座っていた
鳴海「なんで？」
「…いや…ちょっと…」
鳴海「言い訳はそれだけ？」
怒りに身を任せたナルは私の手が持っていた煙草を奪い、灰皿に火種を押し付けた
更に灰皿に積み重なっている煙草の吸い殻を見てため息をついた
そして窓際に座っていた私の腕を掴み、床に正座させた
鳴海「…自分を傷つけないで。僕はそれに怒っているんだ。煙草を吸う事は害でしかない。Aが傷つくのを僕は見たくないんだ」
正座をする私の頭に手をポンと置き、そっと優しく撫でた
「ナル…ごめん」
私は正座をし、頭を下げて謝った
ナルがこんなにも私のことを心配してくれているとは思わなかったから
鳴海「全く…。本当に君と僕は似ているよ。…嫌なほどにね」
「え？」
鳴海「…僕も昔煙草を吸っていた事があったからね。…Aと同じ中等部の頃。その時やっていた任務の数々に毒されて」
彼は微笑み、灰皿の煙草を綺麗に片し始めた
そして私の目の前に三角座りで座り込んだ
鳴海「まさかAも同じ道を辿るとは微塵も思っていなかったけど。…出逢った頃からやっぱり君と僕は似ている」
「…私も任務の重さにやられて手を出した。別に吸わなくても良かったけど、魔がさした。本当にそれだけ」
鳴海「ごめんね。僕には任務から助けてあげることができない」
唇をかみ、眉を下げ悔しそうな顔をしたナルは拳を握りしめていた
「ううん。私のことを心配して中等部まで来てくれたんでしょ？それだけ心配してくれる人がいるから私はまだ私のままでいられるの。ありがとう、ナル」
鳴海「僕のことは頼って。きっとAを助ける」
「うん…。ありがとう」
ナルはまた私の頭を撫でながらそっと言った
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Hakumu*(プロフ) - なつみさん» コメント・応援ありがとうございました！次作の方も読んでいただけるということで大変嬉しいです。今後ともよろしくお願いします! (6月6日 20時) (
レス) id: a79531c102 (このIDを非表示/違反報告)
なつみ(プロフ) - 完結おめでとうございます！！楽しく読ませていただきました♪幼馴染の鳴海先生も引き続き読みます！ (6月6日 14時) (レス) @page45 id: 452fe787e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Hakumu* | 作成日時：2022年11月9日 15時
