【学園アリス】MEVIUS XIII (ページ10)

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杏樹「棗君が音校(ウチ)に来てくれるなんて嬉しいな〜♪久しぶりだね〜！」
棗「Aじゃねーんだ。俺はテメーに会いにきたわけじゃねえよ」
鳴海「わかってるよ。葵ちゃんの面会って事は」

私の言及には触れずにスルーしている
棗の皮肉を素通りできるのは杏樹ならでは

今日は棗が葵ちゃんの面会、蜜柑がついでにベアのメンテナンス、私が星(ひかり)ちゃんに一目会おうとそれぞれの目的で音校にやってきていた

今は音校の校長、杏樹と理事長の志貴さん、そして棗と校舎へと続く道を歩いている
蜜柑はベアを要に見せに行っていて別行動

鳴海「蜜柑ちゃんも来てるって聞いたけど、どこ？」
棗「テメーに教えるか」
鳴海「え〜。で、どこにいるの？」
「私に聞く？…要のとこだよ」

私に話を振ってきたので素直に答える
棗じゃないから隠すつもりはない

志貴「補足をすると、蜜柑のお祖父様が長期旅行に行かれるので、その間ベアを健康診断(メンテナンス)で演出部に預けた後こっちに寄るそうです」
鳴海「そっか〜」
棗「ちっ。テメーら教えてんじゃねーよ」

棗には舌打ちをされたけど別に気にしない

鳴海「相変わらずクソガキだね〜」
「ほんとねー」

私が同意をすると志貴さんも乗ってきた

暫く歩いていると突如目の前に箒を抱え、膝をついて頭を抱えている女の子が現れる

棗「なんだあれ」
鳴海「ああ、辛さに耐えかね姉科生(上級生)の目を盗んで吠える妹科生(下級生)の図だね。音校裏名物…」
「どんな名物よ…」
鳴海「えーほんとだよー？」

どれを信じていいかわからなくなる

棗「…なんだそれ。吠える？ここお嬢学校じゃねえのかよ」
「それな？」
鳴海「音校(ウチ)の妹科の学園生活は世界一厳しいからね〜」
「…っていうよね」

音校が厳しいと言われているのは噂で聞いていた
けど生徒が吠えるまでいくとは思っていなかった

鳴海「音校のルールは沢山あるよ。例えば、1人の失敗は同期全員連帯責任。ドアはどんなに遠くにいても妹科生が開ける。通学時は2行行列、私語笑顔厳禁。廊下は端を歩く…。などなど」
「うわぁ。私だったらやっていけない」

自由人だから私じゃ絶対ついていけない
もう少し自由に生きたい

棗「噂の音校謎ルールな」
鳴海「わかってないな〜。謎じゃないよ〜。いずれすべて舞台に生かされる意味がある厳しさなんだよ〜。…その厳しさを1年共に乗り越える事で同期生の絆は一生モノになるわけで…」