【学園アリス】MEVIUS XIII (ページ6)

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サンドウィッチを食べ終わった後、少しして店員さんがプレートを運んでくれた
プレートには名前と修了おめでとう、そして店先にもいたウサギのイラストが描かれていた

所謂デザートプレートで一口サイズのケーキが二つ乗っており、可愛くデコレーションされている

「…凄く嬉しい」
何とか捻り出した言葉は驚きすぎて声が小さかったけど、杏樹には聞こえていたみたいで満足そうに微笑んでいる

鳴海「それからこれ。修了祝いのプレゼント。次から専科生だし、何かお祝い物を贈りたくて」
一体どこに隠し持っていたのか、どこからか小さな箱を取り出す
見れば一眼でリングだとわかる

「開けていい？」
鳴海「どーぞ」

許可をもらって小さな箱を開ける

中からは翡翠がつけられているシンプルなデザインのリング

「かわいい…」
思わず漏れた声に杏樹は微笑んだ

鳴海「よかった。…それにチェーンを通して、首にかけるもよし。指に嵌めるもよし。…ただし着けるなら薬指ね」
「…そこ、限定なんだ？」
鳴海「まあね。…だって将来も一緒にいるでしょ？」

口に運んだケーキを思わず落としそうになる
でしょ？ともう一度確認するように、同意を求めて顔を覗き込んでくる杏樹に私はゆっくり頷いた

鳴海「Aが無事学園を卒業できたら、ちゃんと結婚しよう」
「…うん。嬉し…」

勝手に涙が溢れてきて頬を伝って流れる
嬉しくてどうにかなってしまいそう

鳴海「あと2年、一緒に頑張ろ」
「うん！」

私は微笑むと、そのまま右手の薬指にリングを嵌めた

「杏樹用のリングも買わなきゃね。前あげたのピンキーリングだし」
チラッと見ると杏樹の手の小指にピンキーリングが嵌っているのが見える

あの時あげた時からずっとつけてくれていた

鳴海「いや、大丈夫だよ。お金使わせるのも勿体ないし、僕はこれで満足してるからね。大人になったらまた2人のペアリング選びに行こう」
「わかった。その時はまた素敵なもの選ぼうね」

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店を出てからはセントラルタウンの色々なお店を回った
指輪をつけた手を繋ぎながら、デートを楽しんだ

前なら一緒に帰っていたけど、今はそうはいかない
高等部の方まで一緒に帰ってくると寮で立ち止まってお別れを告げる

杏樹はこの先の歌劇団エリアに戻ってしまう
それがどうしようもなく寂しかった

鳴海「またね、A」
「うん…またね…」

いつも別れ際は悲しくなる
思わず私は杏樹に抱きついてバイバイと告げた