【学園アリス】MEVIUS XIII (ページ26)

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翼が携帯を持ってトーマに近寄る
スピーカーになっているので受け取らなくても話せるようになっているので、そのままトーマは喋り始めた

遠麻「星。よかった無事で。愚兄(あに)が、ご迷惑おかけして本当に申し訳ありません」
星『え…』

この様子だとアルマの正体を知らなかったのだろう
今初めて知った事実にとても驚いている

翼「あれ？星まだ知らないのか？お前を連れ去った誘拐犯(バカ)、アルマはトーマを狙って学園にやってきた腹違いの兄だぞ」
星『嘘ですー！似てなさすぎて気づかなかった！』
アルマ『どういう意味だコラー！』

「あはははっ」
そのやりとりに私は思わず腹を抱えて笑い出す
笑いが止まらない

柊人に頭を小突かれてようやく落ち着く

翼「兎に角今からそっち向かうから！」
電話を勢いで切ると走り出そうとする
が、一旦立ち止まり私を見つめて問いかける

翼「A瞬間移動は！？」
「切らしてる」
翼「はぁー！？こんな時こそ持ってろよ！」
「うるさいな。走るよ！」

いつでも持ち合わせがあるわけではない
仲間に瞬間移動が居ればすぐにもらえるのだがそうもいかない

翼を急かし、走るように促す

遠麻「私も行きます」
「ダメ。何があるかわからないからアルマの所にトーマは行かせられない」

命を狙われているのに行かせるわけにはいかない
相手はアルマとはいえ、お付きも一緒だろう
そんな危ない真似許可できるわけない

流架「俺トーマと残るよ。柊人達は追って」
柊人「わかった」
翼「行くぞ！」

その声を皮切りに私たちは走り出した

蜜柑「なあ翼先輩、A先輩」
「どした？」

私たちの後ろを追っかけて走っている蜜柑の声が飛んでくる
私達3人の危力で培われた足の速さは伊達じゃないけど、蜜柑も足が速い

蜜柑「『アルマ』って人が遠麻さまの命を狙ってる犯人なん！？実の兄弟なのに？なんで！？」
翼「しらねーよ。王族ともなると色々あんだろ」
「その色々を知らないから何とも言えないけどねー」

翼「つーかアルマ(あいつ)は人の命、本気で狙うような奴じゃねーけどな」
蜜柑「え。じゃあなんで…」

今までの行動を読むと、アルマには殺す機会など幾らでもあった訳だけど、どれも決め手に欠けていた
矢を飛ばしたり、石を投げたり…
殺すには一歩足りない

柊人「厄介なのは後ろでアイツを動かしてる長男(黒幕)がいることなんだよねー」
「ま、そゆこと」

アルマに指示を出している黒幕が一番やばい