【学園アリス】MEVIUS XIII (ページ19)

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どれもキャッチがボールになっていて、小ぶりのものから揺れるドロップ型も置いてある
物凄く可愛い

一色「可愛いだろー、それ」
心の中を読まれたようでびっくりして心臓が跳ね上がる

殿内先輩と話していた筈の一色さんが気づいたら私の目の前まで歩いてきていた
それほど私はピアスをみることに集中していなかったつもりはないのだが

一色「ピアス好きなんだな、制御ピアス以外に何個か開いてる」
「…まだまだ少ないですよ」

一色さんが私の耳に注目していてたまに視線が合う
ちょっと恥ずかしくなって私はすぐに視線を逸らした

一色「じゃあ此処、アンテナヘリックスに開けると物凄く可愛いよ。…よかったら俺、ピアッシングするけど、どう?」

目を輝かせた一色さんに耳の軟骨を触れられ、少しドキッとする
「お願い、します」
一色「おっけー。殿内、お前いいお客さん連れてきてくれたよ。趣味が合いそうだ」

何だか悪魔に魂を売ってしまったかのような…そんな契約をした気分だ
チロっと舌なめずりをした一色さんに殿内先輩は頭を抱えていた

殿内「一色さん凄くいい人なんだけど、ピアッシングしたくてしたくて堪らない人で…。まあ、今後もピアス開けるつもりなら全部頼むといいぜ」

呆れたようにそう呟く殿内先輩の言葉に私は胸を躍らせた
1人でピアッシングできなくもないが、どうせなら熟練度のある他人に開けてもらった方が綺麗に開くだろう

手を洗って、消毒液と軟膏、ニードルとファーストピアスなど必要なものを次々と引き出しから取り出してくる
「こっち座って」と奥の椅子に私を座らせる

一色「位置はどの辺がいい?」
「眼鏡をかけるので、邪魔にならないところだったらお任せで」

眼鏡の邪魔にならないようにピアスを耳にあてて位置を確認していく
あまり痛くないとはいえ軟骨にあけるので少しドキドキしてくる

一色「よし、じゃあこの辺に開けるぞ」
ある場所をトントンと指でされ何処にあけるかを示唆される

開ける場所をアルコールを含ませたティッシュペーパーで優しく拭き取り、ニードルの包装紙を開ける

手が軟骨にかかった時私は思わず軽く目を閉じた
覚悟した後短く息を吐き終わると、チクッとした感覚が走りニードルが肉を裂いて耳を突き進んでいく
最後壁を突き破るような感覚がした後、ニードルの針先は再び空気に触れていた

ジンジンと鈍い痛みがする中ファーストピアスの接続…ニードルとピアスの入れ替えを始める