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白老の言葉 ページ30

始皇七年は、前半が静かな年であった。史記には彗星が見えたことなど記してある。
そんな折であった。


「蒙驁危篤」の知らせが届いたのは…。


A「蒙驁将軍……っ」


蒙驁 「…Aか。

そんなに悲しそうな顔をするでない。

これも寿命じゃ…」


A「そんな弱気な事を!

蒙恬には、まだ蒙驁様が必要です!!

気をしっかり持ってください…!」


蒙驁 「フォッフォッ…。

Aや、
昔のようにじいちゃんと呼んでくれ…。

そして、儂が居なくなっても

どんな時でも蒙恬のそばにいてやってくれ…」


A「おじいちゃん…っ!」


必死に蒙驁の腕を握り締め、看病に励む。

前線から向かっていると連絡がある蒙恬に
早く会わせてあげたかった。


すると、入り口が騒ぎ声がして
急いでその方向を見る。



A「恬っ!!…信も来てくれたの!」



蒙恬 「A…じーちゃんのそばに居てくれて、
ありがとう…」


A「…恬っ…、私何もできなくて…」


そんなことない…と言うように首を振り

震える彼女の体を温めるように、

蒙恬はやさしくその掌を握った。

やはり、蒙驁危篤のショックは
彼の中でも相当酷いもので、握ってくれた手も
本当に弱々しかった。


蒙恬 「じーちゃん…」


蒙驁 「………?」


信 「あっ、うっ動いた!」


蒙驁 「おー。恬……か…」


蒙恬 「うん。恬はここにいるよ。じーちゃん。

信も来てくれたし、…Aも隣にいる」


蒙驁 「…恬。待っておったぞ。

Aも良く顔を見せておくれ…」


A「はい、おじいちゃん…」


信 「…蒙驁将軍ッ!」


蒙驁 「フォ…そうか。それでは少し…

語るとするかのォ」


今まで寝ていた体を起こす蒙驁。
その大きな体に皆、驚いた。

家臣 「…お、起き上がられたッ!?」


声をかけようとした兵士を、蒙恬が手で制した。



蒙驁 「儂は英雄になりたかった…」


その言葉を始まりに、蒙驁が歩んできた道のりを
語り始めた。

父・王騎がいる六将達についての、
蒙驁の想いを聞いて驚くA。

自分も悲しみにいっぱいなはずなのに、
蒙恬が必死に涙に耐えるAの手を握ってくれる。…彼の手も同じくらい震えているのに。



蒙驁 「英雄になれなかった老人からの金言じゃ。

蒙恬と信と王賁。

三人で一緒に高みへ登れ」


蒙恬・信・A「「「……!?」」」

白老の言葉.2→←おまけ



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夏目 - 私も蒙恬推しなんで嬉しいです。もし蒙恬の子供ができた話も見てみたいです (2021年10月31日 7時) (レス) id: 1b00569172 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:09kokoa | 作成日時:2020年9月19日 10時

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