妍姿艶質.3 ページ25
命の危機を感じる蒙恬に、救いの光とばかりに陸仙が遠目に見える。思わず、助けを求める。その名を呼ぶと、隣の金髪の美女がこちらを見た。
蒙恬 「うわっ……何あの子。
めちゃめちゃ可愛い……」
思わず心の声が口から出てしまう。
その一言が、この死地にさらに油を注ぐ。
⭐⭐
蒙恬と目があったAは、
一瞬で心臓が握りつぶされそうだった。
いつもそばにいた愛する彼の両手には、
女が抱きつき、その肩にすがりついている。
それは、想定していた中で一番最悪の
…絶対見たくない光景だった。
全ての事情を知ってる陸仙だけは、
額に大量の汗をかきながら
どう動けばいいか蒙恬とAの顔を
何往復も伺いみる。
唇をキュッ…と噛んで、両手を握りしめて
蒙恬の所へ向かった。
…怒りに肩を震わせながら。
⭐⭐
今まさにトドメを刺そうと、羌瘣と王賁が獲物を握りしめて蒙恬にジリジリと近づく。
それでも、怖がるフリをして
さらに蒙恬との距離を縮めようと、
迫る女達に二人の殺気がドンドン膨れ上がる。
彼ら二人の殺気にも怯まないなんて、
本当にただの村娘達なんだろうか…?と
河了貂が首をひねった横を…
色っぽい金髪の美女が、
髪を靡かせながら歩いていく。
河了貂 「……ぇっ…綺麗……///」
その珍しい髪色は、太陽の光を吸い込んで
さらに輝きを増してきた。
透明な黄金の色は、女の白い肌にさらに映えて
異国の美しさを…醸し出していた。
さっきまで殺気に満ちていた
あの王賁とあの羌瘣が…その姿を見ただけで
自然と頬が赤く染まってゆく。
歩くだけで男女問わず、虜にしていくその女は
真っ直ぐ蒙恬の所へ向かって…
両手に縋り付く女達を、乱暴に引き剥がした。
「キャッ!」「痛ぃ!」という女達の悲鳴も
無視して、そのまま見惚れている蒙恬を肩を掴み
ドンッ…と力を入れて、
座っていた椅子に腰掛けさせた。
そしてなんと…
蒙恬の膝の上に横向きで、美女も座った。
夢のような女に、強引に椅子に座らせられたかと
思ったら、その魅惑的な身体が自然と密着する。
羽のように軽いその身体が、落ちないように
反射神経で両手を添えると、
着物越しからでも分かるくびれた腰と、
細い足が手に触れた。
それでも足りないと誘惑するように、
蒙恬の首に手を回して、
わざと着物から肌が見えるように脚を組む。
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夏目 - 私も蒙恬推しなんで嬉しいです。もし蒙恬の子供ができた話も見てみたいです (2021年10月31日 7時) (レス) id: 1b00569172 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:09kokoa | 作成日時:2020年9月19日 10時