月下美人の君【王賁ルート】

恋をおしえて.2 ページ7

やっぱり端整な顔立ちの彼は、笑っても美しい。

普段もそうしていればいいのに…と言おうとしたら
次の瞬間…王賁から発せられた言葉に、心臓が飛び出るくらい胸を打つ。

…普段、彼のことを顔が赤くなって可愛いなど、
内心からかっていたが、今まさに同じように熱をもった頬に人のことは言えないAだった。


触れた肌が想像以上に、じんわりと熱を帯びていく
彼は酒を飲んでいないはずなのにおかしい…。


だが…頭がクラクラする今の状況は、Aは深く考えることが出来なかった。
このドキドキとうるさい心臓も
…アルコールのせいなのか、

王賁のせいなのか分からない。

それでも、優しくついばむような接吻に
甘く酔わされた。


❄❄

先ほどと打って変わって、

自分を受け入れてくれるAに
…愛しさが溢れでて、止まらない。

女性に…ましてや、長年恋焦がれた女に、
自分自身という存在を受け入れて貰えるのが
こんなに幸福感を感じさせるとは知らなかった。


夢のような感覚に、ふわふわとする。

今だけは、王一族の跡継ぎや

玉鳳隊隊長という肩書を忘れて


ただの“賁”という一人の男に戻れる。



ただ男としての本能が、
Aを何よりも大切にしてやりたいと想う一方で、

酷くメチャクチャにして
自分だけの物にしたいという欲望が胸の中で葛藤する。


どんなに上等な絹や素材でさえ、
彼女の肌にはかなわない。触れたら最後、
その柔らかく滑り心地のいい肌を、ずっと味わっていたい。


つい、もっと…もっと味わいたい…と

王賁からのキスが深くなっていき、
自然とAを押し倒していた。

それでも、彼女が怪我をしないように

…優しく頭を撫でて
髪が絡まないようにそっ…と倒す。


いつも強引で男らしい王賁も嫌いではないけれど、
その優しさや、大切に扱ってくれることに…

Aも嬉しい気持ちがあふれる。

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