雨過天晴.3 ページ31
普段なら、人前で距離を置く王賁も
気持ちが結ばれてからは、
過保護により磨きがかかっていた。
Aは俺のものだと言わんばかりに、
自分の腕に閉じ込めて、信に「近づくな」と殺気を放つ。
その隙に、
蒙恬がよしよし…とAの髪を撫でる。
蒙恬 「A…可愛い。
すごく似合ってる」
A「恬っ!ありがとう!」
褒められて嬉しかったのか、笑ってくれた顔は
いつもより可愛い。
ズイ…と顔をつかずけても逃げない無防備な彼女に、「こりゃ、相当苦労しそう」と今の王賁を見て心の中で一人呟いた。
蒙恬 「…(まぁ、Aを独り占め出来るんだから、これくらいいいよね…)」
ちゅ…とそのほっぺに口付けると、林檎のように赤くなり、まだ男を知らない顔に安心してしまう蒙恬。自分の手から飛び立ってしまう小鳥のようで、どこか寂しかった。
王賁 「…蒙恬ッ貴様!…
気安くAに触るな…!」
そう言ってどこからは、高価そうな手ぬぐいを出して、先ほど蒙恬からキスされた部分を拭い始める。
…普段からは想像できないAへの愛しっぷりに信と蒙恬はそのギャップについていけない。
A「…王賁くんっ!///」
王賁 「消毒だ。…ばい菌が入ったら大変だから」
蒙恬 「ええー!俺がばい菌みたいな言い方ー!」
王賁 「実際そうだろ。
…A、…お前は自分が愛らしい容姿を
していることに自覚を持ち、
もっと男に対して警戒心を持て!
無防備すぎて、心臓が持たん…っ///
あと、賁と呼べといってるだろ」
A「ごめんね…賁くん…」
王賁 「…気を落とすな。
お前は俺だけ見ていればいい」
蒙恬・信 「「…(あれって本当に王賁?!)」」
まるで、王賁の皮を被った別人のようだった。
今まで抑え殺してきた感情が、Aと結ばれた事によって解き放たれてより暴走しているのか、
まさに…溺愛というか盲愛そのものだ。
魂が抜ける様な二人に構わず、
積極的な王賁に嬉しさを隠せないが、
このままだと居た堪れないと思い声を出す。
A「そろそろ、論功始まるよ!
早く行こうー!…ねっ?」
王賁 「…っ!///………ああ」
本人は自覚なくしてるんだろうが、
王賁との身長差から自然と上目遣いになる。
…勝手に高鳴る胸を知らないふりして、
必死に平然を装う。
取り残された二人は、
「なぁ、今日飲みにいかねぇ?」、
「俺もそれ、言おうと思ってた」と
酒で失恋の傷を癒そうと決めた。
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09kokoa(プロフ) - kwkさん» kwkさん!ありがとうございます!嬉しいです。頑張って更新していきますね! (2020年10月15日 20時) (レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
kwk(プロフ) - 楽しくなって夢中になって読んでます。大変やと思いますが…更新楽しみにしています!!頑張って下さい!! (2020年10月15日 9時) (レス) id: d400d18c11 (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - さあやさん» さあやさん、コメントありがとうございます!さあやさんの作品も大好きです〜! (2020年10月14日 11時) (レス) id: f05c1b9b36 (このIDを非表示/違反報告)
さあや(プロフ) - 王賁ルート待ってましたっ!更新楽しみにしてます〜!! (2020年10月13日 15時) (レス) id: 523a6006f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:09kokoa | 作成日時:2020年9月13日 23時