He/She is the world to me.2 ページ22
その包帯からは血が滲み、王賁の顔色をよく見ると血の巡りが悪そうだった。そこで、初めて彼が怪我をしていている事に気付いた。
A「王賁くんっ…！その腕……！」
王賁 「たいしたことはない。すぐ治る」
A「…まさか…今日助けに来てくれた時に
無理したのッ！？」
確かに玉鳳隊の到着が異様に早かった。
それは、きっと無理してでも助けに来てくれたんだろう…とその姿を思い描くだけで、勝手に涙が溢れる。
泣きそうなAを見て、愛しい者に触れるように、王賁が優しく微笑んだ。
王賁 「本当に……Aは、泣き虫だな」
彼の手が好きだ。…戦う戦士の手が。
普段笑わない癖に、こういう時だけ笑うなんて
反則だよ…とついに、その雫がこぼれた。
A「…もう二度とこんな真似しないでっ。
…お願いだから…っ」
いつの日か、命を捨てでも彼は自分を守ろうとしてくれそうで、恐ろしかった。
…大切な人だからこそ、失いたくない。
王賁 「……心配をかけてすまない」
ゆっくりとその腕の中に包み込まれる。
こういう時ばかり、答えをはぐらかす王賁がずるい。抱きしめられた瞬間、王賁の香りがして
安心してしまったら、今まで溜め込んでいたものが堰を切ったように流れ出た。
A「………すきっ。
っ……王、賁くんが大好きっ…」
王賁 「…ッ………！」
それは紛れもなく、兄でも友でもなく
男して彼が好きなのだ。
Aの告白に、
王賁が息を飲んだ動作が伝わる。
そして、抱き締める力も強くなった。
ふいに、体が離され
両手で顔をぷにっとつままれた。
急な展開に、目が白黒してしまう。
王賁 「…熱でもあるのか？」
A「……へっ！？」
一世一代の告白のつもりだったが…。
王賁 「先ほどから、Aの心臓が
ドキドキとなる音がこちらにまで聞こえてくる。
…具合が悪いのか？」
恥ずかしいことを指摘されて、真っ赤になる。
A「そ、それはっ…！！
な、なんでもない…///」
王賁 「なんでもなくはないだろう…」
A「だ、だって…！
王賁くんが近くにいると、
勝手に心臓がうるさくなって…
いつもの自分じゃいられなくなるんだもんっ…///」
正直、久しぶりの彼女との会話が楽しくて、
…可愛らしくて、
ついついからかってしまったが、
赤くなって潤むその顔に
逆にこちらが火をつけられてしまった。
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09kokoa(プロフ) - kwkさん» kwkさん！ありがとうございます！嬉しいです。頑張って更新していきますね！ (2020年10月15日 20時) (
レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
kwk(プロフ) - 楽しくなって夢中になって読んでます。大変やと思いますが…更新楽しみにしています！！頑張って下さい！！ (2020年10月15日 9時) (レス) id: d400d18c11 (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - さあやさん» さあやさん、コメントありがとうございます！さあやさんの作品も大好きです〜！ (2020年10月14日 11時) (レス) id: f05c1b9b36 (このIDを非表示/違反報告)
さあや(プロフ) - 王賁ルート待ってましたっ！更新楽しみにしてます〜！！ (2020年10月13日 15時) (レス) id: 523a6006f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：09kokoa | 作成日時：2020年9月13日 23時
