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お見合い.4 ページ12

二人の姿を見てか、蒙恬が機転を利かせて彼女にウィンクした。

蒙恬 「あっ、王賁〜!良かった。

俺これから用事あるから、
Aの事を送ってあげてくれない?」


王賁 「………どういう風の吹き回しだ」

いつも彼女を競い合ってたからこそ分かる違和感。
蒙恬がAとの時間を易々と譲るなんて
何かがおかしい。

蒙恬 「どうもこうも、そのままの意味だよ。


Aのこと………よろしく頼むよ」

困ったように笑った蒙恬は、
普段と変わらない口調だったが、
どこか重みがあるののだった。


動かない二人に変わって、
さっさと屋敷に戻っていってしまった蒙恬。
…取り残された二人は並んで帰るしかなくなった。


⭐⭐

夕日が美しい街並みを照らす。
互いに馬を引いて歩きながら、寡黙な彼を見ると
いつの間に
こんなに身長が高くなったのか…と驚く。

「「あの…(A)…」」

静かに過ぎ行く時を止めて、口を開いたが
お互い同時に話しかけて固まる。
…そう言えば、昔もこんなことがあったと
思わず吹き出した。


A「ははっ…。前もこんなことあったね…」


王賁 「あの時は、店で買い物をしてた時だったな。

…あの日は、通り雨がひどかったが

お前と会えて…ずっと渡せなかった簪を
やっと渡せた」



A「…!…よくそんな覚えてるね」



王賁 「……Aと共に過ごした時間を

忘れるわけがないであろう」


それが当たり前のように、堂々と言い切る王賁に
心臓がドキン…!と音を鳴らす。


やっぱり今日の自分はどこかおかしい。


だが、そんな甘い気持ちも
次の王賁の言葉で冷たくヒビが割れる音がした。




王賁 「A、俺は



今回の見合い、受けようと思っている」


A「…………え」



一瞬にして、刀で心臓を突き刺さたようだった。



王賁 「王家の正統な跡継ぎとして


これも重要な責務だ」


王賁くんの顔が見えない。

俯いた顔は情けないことに、

ずっと足元ばかりに視線が落ちる。



A「そっか……結婚おめでとう!」



それでも……息を吸うように平気で嘘をつく。



A「きっとお相手は綺麗で、聡明で…

名家のお姫様って人だよね!

きっと王賁くんともお似合いだね」


自分のように戦で血と泥にまみれた女とは違う。


A「…あっ!もう着いちゃった。

送ってくれてありがとう!


……さよなら」


そう言って逃げるように、家に帰った。

王賁がどんな表情をしているのか知らずに。

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09kokoa(プロフ) - kwkさん» kwkさん!ありがとうございます!嬉しいです。頑張って更新していきますね! (2020年10月15日 20時) (レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
kwk(プロフ) - 楽しくなって夢中になって読んでます。大変やと思いますが…更新楽しみにしています!!頑張って下さい!! (2020年10月15日 9時) (レス) id: d400d18c11 (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - さあやさん» さあやさん、コメントありがとうございます!さあやさんの作品も大好きです〜! (2020年10月14日 11時) (レス) id: f05c1b9b36 (このIDを非表示/違反報告)
さあや(プロフ) - 王賁ルート待ってましたっ!更新楽しみにしてます〜!! (2020年10月13日 15時) (レス) id: 523a6006f7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:09kokoa | 作成日時:2020年9月13日 23時

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