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、
結局無言で歩く私達。
付き合ってるのに無言って。
溜息を飲み込んだ私はふと、岩泉さんの1つの行動が目に止まる。
「あの、岩泉さん」
「どうした」
「…歩く速さ合わせてくれて助かります。ありがとうございます」
少し先を歩く岩泉さんは私と差が開かないように歩幅を加減して一定の距離を保ってくれていた。
それが嬉しくて今度はちょっと隣を歩いてみたり。
「それくらい普通だろ」
「普通でも嬉しいです」
「そういうもんか?」
「そういうものです」
あ。なんか話しやすくなったかも。
岩泉さんも笑ってくれてるし。
「岩泉さんってもっと話難そうな人かと思ってました。あと睨まれる」
「俺はどんなイメージだよ」
屈託なく笑い飛ばしてくれる岩泉さん。
歩幅は相変わらず私の大きさ。
今日だけで岩泉さんの良さを沢山知れたような気がして、私は小さく笑う。
私の家に着くまで、あと5分。
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作者名:ただのルート | 作成日時:2017年7月17日 15時