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、
私はここに来てハッとする。
しまった、キスしてない。
「一先輩!」
「何だよ」
「キ……き、」
キスしましょう!って言ったら私とんでもなく男に飢えてると思われそう。
いや、そもそもキスという単語が口から出てこない。どういうこった。
取り敢えず身を乗り出して唇を尖らせる。
「あの……キ、き…………」
「き?」
一先輩。体勢みて。
キスのおねだりですよ。
「き、」
…………あぁもう言えるか!
椎倉A、試合放棄します。
、
「その黄色いバレーボールのストラップ素敵ですね!!」
「……これか?」
一先輩の鞄についているストラップを見て大声出す。よし、救われた。
「私も是非欲しいですね、バレーボールがもちーふのストラップ」
「でも女子で付けてる奴なんていねぇぞ」
「女子全員がキラキラしてるやつ好きだと思わないでください」
いいなぁ、と繰り返す私に一先輩からの指令が下る。
「…………顔、上げろ」
「? は──」
、
──い。と返事をする前に私の唇は塞がられた。
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作者名:ただのルート | 作成日時:2017年7月17日 15時