85.モブだってもはや下僕。 ページ1
、
ピピーッ、と笛が鳴り、コートチェンジの合図。
私の隣を陣取る及川さんの額には汗と青筋が浮かんでる。
「ねぇAちゃん。赤葦くんに何か言った？」
「何も言ってません」
「正直に言えば今なら怒らないけど」
「マジで何も言ってないんで今回は。」
不調だった前回と違うからビンタも激励も何もしていない。故に向こうは次でマッチポイント。
まぁ木兎さんがしょぼくれモードに入ってないのがデカいけど。
「俺たちが勝つにはどの道フルセットってきついんだよねー。Aちゃん、汗」
別に2校での合宿だからガンガン試合するに決まってるのに。というかまだ明日があるし。
「…及川さん。汗を拭くまでが仕事なんですか？」
「え、うん。Aちゃんだけね」
「それ下僕じゃねーか」
「ナチュラルに本音出すよね！」
にこっ！と笑われてイラっ！としたのは条件反射である。
岩泉さんはこれと何年間も一緒にいたのか……。
「拭かないと岩ちゃんにも言っちゃおうかなー」
この性悪と何年間もの付き合いって岩泉さん凄いな。
「あ、俺も拭いてもらえます？」
「ここぞとばかりにこき使うなお前らは」
「白福さんと違って人が密集してませんしね」
「まぁね。この違いのせいで叫びたくもなるんだよ」
白福さんに手を出さないか目を光らせて
向こう側を見つめる。
「俺はAさんの方が好きですけどね」
「あぁ、初めて言われた」
「裏の方見せてないからじゃないですか？」
「見せるわけないよねモブにあるまじき失態を」
そんなやり取りをしてるとぱさっ…と、白タオルが頭に乗せられて視界の端が白に染まる。
「……？え、何ですかこれ」
「んー？嫌がらせ☆」
「あぁどうも。お返しはハイキックでいいですか」
視界が白で埋まっても、モブの本能とやらで
及川さんがほくそ笑むのがわかった。
「…わ、」
手を引かれて及川さんの腕の中に一瞬収まると、
次の瞬間にタオルが取られる。
「はい、嫌がらせ終了！」
「…………。」
何なのこの人マジで。
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七桜(プロフ) - どうしよう、票入れたいのに819だから入れにくい・・・！入れたいのに！！ (3月21日 11時) (
レス) @page50 id: 225d8f1490 (このIDを非表示/違反報告)
ふぐひらめ - 素敵な作品でした…山田ちゃん、気付いてないだろうけど、この小説では君、ちゃんと主人公だよ…… (2022年1月27日 17時) (レス) @page49 id: f76242864c (このIDを非表示/違反報告)
おっふ - 私が言えることはただ一つ。この作品クオリティやばい。 (2020年1月12日 22時) (レス) id: f0059e6ce4 (このIDを非表示/違反報告)
モンブラン - ヤバイです赤葦さんがヤバイですマジでヤバイですヤバイしか出てきませんヤバイですマジで凄いヤバイ萌えますマジ神作です赤葦さんの話、もっと作ってくれないでしょうか？ (2019年8月19日 22時) (レス) id: 4e49721770 (このIDを非表示/違反報告)
蒼音イオ(プロフ) - 全部読み返してたら遅くなっちゃった() この作品に出会って諦めかけてた小説を書く気力をもらいました るとちゃんに感謝!!遅くなったけど完結おめでとう!! (2019年8月13日 9時) (レス) id: 0a2747c984 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ただのルート
| 作成日時：2019年6月21日 18時
