モブだって可愛いだろうが **

86.モテ男だって由々しき事態 ページ2

、







ー赤葦side








コートチェンジの笛に従い反対コートに移った中、汗を拭いていると。













「…木兎さん、どうしたんですか？」



「…赤葦、由々しき事態だ」














木兎さんでも由々しきなんて言葉が出るのか。




そこに驚きと安堵をしつつ別のタオルを木兎さんの首にかける。
















「木兎さん、汗が引く前に拭いてくださいね」



「それどころじゃねえ！」



「そうですか。水分補給もした方がいいですよ」



「聞いてる赤葦！？」















この人の''大変''は当てにならないし高確率でくだらなかったりする。




…なので、聞く気は特にない。












ドリンクを喉に流し込んでいると















「うちのマネージャーにモテ期が来た…!!」



「白福は万年モテ期だぞ木兎ー」



「じゃなくて！！」













木兎さんが驚いた理由がわかった。




その分動揺でドリンクが気管支に入ってむせたけど。







「げほっ…… モテ期、って、」


「あかーし涙目だけど大丈夫か！？」















いや、大丈夫ですからそんなに力強く背中を叩かないでください。別の意味でむせるんで。















「まず、あのセンター分けと及川がいんだろ？で、挟まれてるのがA。」



「…ああ、そうですね」



「白福もいんのにAって。」



「少しは我慢しましょう木兎さん」














その顔といい失礼にも程がある。





木兎さんを注視しつつ眺めていれば及川さんがAの頭にしろタオルを被せた。















「遊ばれてんな、あいつ」



「ですね」



「好きな男に。」



「……タイプなだけで好きではないですよ」



「そーか？」
















ましてや及川さんは見た目詐欺だから余計にありえない。まぁ顔はまだ好きなんだろうけど。







そんな予想を立てる中、小見さんたちも寄ってきて。
















「何見てんだよ？」



「Aのモテ期。」



「(…オーディエンスが増えたな。)」



「あいつのモテ期って蚊で終了じゃねえの!?」













木葉さんが驚愕した次の刹那












「「「あ。」」」













全梟谷部員が声を漏らして、俺は目を見張ったままタオルを握りしめる。









「及川がタオル被ったAにキスした…」






何でも口に出ますね木兎さん

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