裏マネの業務。 **

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「……やぁ、おはよう赤葦くん？何してるの」



「いや、別に？」



「別にって体制じゃないんだけど離れろよ」














私の代わりに白福さん達の手紙やら何やらを回収した赤葦に、何で私が今 下駄箱で追いやられてるんだろうか













「まず私に渡そうか？その手紙。」



「それは後でな」



「渡す気ないだろ赤葦。…何怒ってんの？」














前にテツのさんまを私が食べてしまった時のテツの顔にそっくりなんだけど。



怒ってるけど、拗ねてるというか。…………いじけてる？













「赤葦って表情出すと幼くなるね、まぁ出し方の問題だろうけど。何、朝から逆ナンパされた？」



「…Aの所為だから当ててみて」



「何で私なんだよ今会ったばっかなのに」



「正解言えたらこの手紙、渡そうか。」



「待って全力で考える」











会って数分で私何した？何言った？



……何もしてなくないか。…してない。











『やっぱり俺の前ではこっちでいてよ』












「わかった！」


「…答えは？」


「これでしょ。赤葦の前で素顔じゃなかった」


「…………。」











ガバッとマスクも眼鏡をずらしたのに、赤葦は絶対零度の視線を送ってくる。



え、何その目。他にないんだけど？



コレかと思ったのに違ったか…















「…不機嫌の理由、Aともう1人いるよ」



「木兎さん何かしたの？」



「それ失礼だよ。……朝、いただろ？」



「何が」



「駅のホームで、」

















その言葉で頭に浮かぶのは態とらしく寄りかかってきたテツ。




…あの時間帯なら赤葦だって居て当たり前。



どうしてそれに気づかなかったのか。















「黒尾さんには気をつけろ、って言っただろ」



「……て、テツは警戒するにも値しないけど」



「はぁ……、頼むから気付いて、」



「何を。赤葦が理由教えれば警戒する……」















するよ、の途中で座り込んだ赤葦が私の腕を引っ張り私はまんまと赤葦へ倒れこむ。




私の髪を掬うその指にも、私を見つめる不機嫌そうな切れ長で涼しい目にも、




……心臓が締め付けられるみたいに苦しい。
















「…A、どうしたの？」



「…ッ何でもない、私もう行く。離せ」



「そう言われると離す気無くなるな」



「こいつ…っ、不機嫌だったくせに…！」



「今治った」

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