モブだって可愛いだろうが **

26.モブだって休日エンジョイする ページ26

、











次の練習試合までに粉末ドリンクの予備を買わないと、と思ったのがそもそもの間違いだ。




















「何でいるんですかこの詐欺師」




「まだトランプ負けたこと根に持ってんのかお前」



















出くわしたのは夏合宿以来の音駒サイドのトサカうなじ野郎で。








……あ、音駒。今コイツが主将だっけか。























「粉末ドリンク欲しいんで、あばよ」




「あ、俺も買いに行くとこだ。」




「いや黒尾さん選手。」




「うちのモヒカンが常々マネがいないって泣いてるのご存知ない？」

















『知らねえっすわ。』その言葉は飲み込んだ。











まぁトサカとプリンとモヒカンとかいれば絶望的だろう。




















「俺もさー、どこぞのモブマネでいいから欲しいとは思うんだよな。」
















モブなのに名指しされてるの丸分かりだ。





















「……いや、マジでさ。俺あん時はまだ1年だしとは思ってた」





「唐突なノスタルジー。」




「でもお前、」



















隣の黒尾さんがいつかみたく私の髪を手で持ち上げる。





















「…お前、2年になっても色気のかけらもねぇから積極的にうなじ見せてこうぜ！」






「黒尾さん。私以外にやったら絶対ダメですよ」





「独占欲か？つーかお前はいいの？」





「まぁ、モブマネなんで。」




















こんな事でへこたれない。それが梟谷の唯一無二のモブマネだ。

27.モテ男だって真顔で動揺する→←25.モブだってフラグは突然に

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す