13-4 ページ49
『では､ちゃんと眠り薬が出来ているのか試してみましょう』
em「どうやってですか?」
『匂いを嗅ぐのです｡匂いにも効果がある薬も存在するの』
em「……誰が嗅ぐん?」
『私よ』
Aはそう言って別の試験管を取り出した｡
『エーミール君､こっちを持ってて?』
em「は､はい……」
エーミールが持っていた眠り薬の試験管とAが持っていた試験管を交換した｡
『それは目覚めの薬よ｡私がこの眠り薬を嗅いで眠ったら､その試験管の栓を開けて嗅がせる｡出来るかな?』
em「は､はい」
2人の行動を心配そうにグルッペン達が見ていた｡
gr「俺が嗅ごうか?」
『いえ､こんな事を悪魔である貴方にさせる訳には……』
syp「けど……」
『大丈夫だよ｡ショッピ君もエーミール君も､ね?』
そしてAは眠り薬の入った試験管の栓を開けた｡
中身を机の上に置いてあったビーカーへ移して､少し屈みながら手で仰いで匂いを嗅いだ｡
『…………』
彼女は目をトロンとさせて脚から崩れ､床に座り込んだ｡
座り込んだ彼女の身体が傾いていく｡
倒れる前にグルッペンがAを支えて様子を伺うと普通に眠っているだけだった｡
思わず安堵の息を吐いてエーミールに目覚めの薬を嗅がせるように言った｡
gr「エーミール」
em「う､うん……」
貰った試験管の栓を開けて､Aに嗅がせる｡
『っ…………』
目覚めの薬を嗅いで暫くすると､彼女が目を覚ました｡
syp「Aさん……」
『…………えっ?何この状況……?』
目を覚めると驚きを隠せなかった｡
床に座っている彼女をグルッペンが肩を抱いて支え､ショッピが前から抱き締め､エーミールがギュッと手を握っているのだ｡
em「僕……もしあれが眠り薬じゃなくて別の薬やったらどうしようかと……」
『……大丈夫｡そうならない為に何度も練習したんでしょ?』
em「っ……うん」
『エーミール君なら大丈夫だって分かっていたから匂いを嗅いだんだよ』
em「それでも心配やったんやから!!」
『ご､ごめんごめん……』
─
zm(何やってんや､あいつ等……)
Aの部屋のダクトに蛇の獣人が一部始終を見ていた｡
zm(あいつ等､魔女に操られてるんか……?)
彼女達の頭上から見張るように目を光らせる｡
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 941人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
四つ葉クローバー(プロフ) - Rainﾚｲﾝさん» 初の作品でしたからこんなものだと思いましたが,やはり悔しいですね.でも順位を気にせずお気に入りや評価をして気に入っていただける読者様がいらっしゃると思えば,自分にとって最高順位であります. (2020年6月7日 14時) (
レス) id: eb38c2033c (このIDを非表示/違反報告)
Rainﾚｲﾝ - え、過去最大30位？(;´･ω･)σ なにそれ･･･(*´∇｀*)ﾅﾆｿﾚｵｲｼｲﾉ? (2020年6月7日 13時) (レス) id: cc7660b0c0 (このIDを非表示/違反報告)
猫城(プロフ) - 四つ葉クローバーさん» 魔嫁の世界観好きなので、こういう作品あるとテンション上がります(笑)これからも応援してます！ (2019年5月27日 12時) (レス) id: c9e0e83b86 (このIDを非表示/違反報告)
四つ葉クローバー(プロフ) - 猫城さん» はい､存じておりますが､人外とか幻獣とかはウツペディアで調べております｡ (2019年5月26日 23時) (レス) id: e3886e18fa (このIDを非表示/違反報告)
猫城(プロフ) - 四つ葉クローバーさん» もしかして、魔法使いの嫁知ってます？ (2019年5月26日 23時) (レス) id: 9789a8f487 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：四つ葉クローバー | 作成日時：2018年12月19日 21時
