10-2 ページ33
em「ぁ……」
『君､蝶に愛されているのね』
em「…………ぅん」
『私も蝶だけでなく､動物や植物にも愛されているの｡君も､この子達の声が聞こえるのね』
em「…………」
少年はその問いに俯いてしまったが､彼女は目線を合わせるようにしゃがんだ｡
『私はA､魔女なの』
em「ま､じょ……?」
目線が合った少年は首を傾げていた｡
『そう､魔法が使えるの｡そして､君も』
em「僕も……?」
『えぇ｡君にも魔力が宿っているの｡だから蝶の声が聞こえるの』
em「……」
『ねぇ､君……私の弟子になって魔法使いにならない?』
em「ぇ……」
『このままでいると､君は自分の力を抑える事が出来なくなって､蝶やグルッペンさん達を傷付ける恐れがあるの』
em「僕が､グルさん達を……?」
『そぅ､友達を傷付けたくないでしょ?』
em「ぅん､ぃゃゃ……」
『……私の弟子になりませんか?』
em「…………」
少年が大きく頷くと､扉の方から足音が聞こえた｡
gr「A､足音が……」
『グルッペンさん､彼を抱えて｡直ぐに飛ぶから』
言われた通りに少年を抱えたグルッペンを見て､彼女は杖を振るった｡
「おい､新しい蝶は…………!?」
家主が屋根裏への扉を開けた時にはもう誰もいなかった｡
少年だけでなく沢山の蝶達もいない､ただの空き部屋となっていた｡
─
屋敷の庭に飛ぶと､グルッペンに抱えられた少年は目をキラキラさせて辺りを見回していた｡
『まずはお風呂に入って､散髪ね……』
gr「そうだな……」
一緒に飛んだ蝶達を庭に放して､少年と共に屋敷に入る｡
「『ただいま』」
ni「お帰りなさい」
syp「おかえり……って､エーミール!?」
em「あっ!ショッピ君やー!」
syp「仲間ってエミさんやったんや……」
『あの､どなたか彼と一緒にお風呂に入れてあげて』
ni「俺がやるよ｡おいで〜?」
グルッペンから少年を受け取る兄さん｡
em「お兄さん､誰〜?」
ni「俺は兄さん､エルフだよ〜」
em「兄さんさん……?」
ni「あー……兄さんでええよ」
em「うん!」
少年を抱っこしたまま兄さんはお風呂場へ向かう｡
syp「早速､仲良くなりましたね」
『うーん､でも私には懐いていないみたい』
gr「そうか?」
『うーん……｡取り敢えず､服を作ってあげましょう』
杖を取り出して少年の服を作っていく｡
─
兄さんにお風呂に入れて貰い､長
くなった髪も洗って貰った｡
ni「髪を渇かしたら､髪を切ろっか?」
em「うん!」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 941人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
四つ葉クローバー(プロフ) - Rainﾚｲﾝさん» 初の作品でしたからこんなものだと思いましたが,やはり悔しいですね.でも順位を気にせずお気に入りや評価をして気に入っていただける読者様がいらっしゃると思えば,自分にとって最高順位であります. (2020年6月7日 14時) (
レス) id: eb38c2033c (このIDを非表示/違反報告)
Rainﾚｲﾝ - え、過去最大30位？(;´･ω･)σ なにそれ･･･(*´∇｀*)ﾅﾆｿﾚｵｲｼｲﾉ? (2020年6月7日 13時) (レス) id: cc7660b0c0 (このIDを非表示/違反報告)
猫城(プロフ) - 四つ葉クローバーさん» 魔嫁の世界観好きなので、こういう作品あるとテンション上がります(笑)これからも応援してます！ (2019年5月27日 12時) (レス) id: c9e0e83b86 (このIDを非表示/違反報告)
四つ葉クローバー(プロフ) - 猫城さん» はい､存じておりますが､人外とか幻獣とかはウツペディアで調べております｡ (2019年5月26日 23時) (レス) id: e3886e18fa (このIDを非表示/違反報告)
猫城(プロフ) - 四つ葉クローバーさん» もしかして、魔法使いの嫁知ってます？ (2019年5月26日 23時) (レス) id: 9789a8f487 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：四つ葉クローバー | 作成日時：2018年12月19日 21時
